おおつるレポート(2015年)

アイドルエコノミー「プラットホーム戦略」

AKB48や秋元康氏の話ではない。IdolではなくIdle、すなわち「働いていない」「使われていない」「空いている」といった意味だ。飲食業界では一番来客の少ない時間帯を、工場では機械設備が稼働していない時間帯を「アイドルタイム」という。そのアイドルだ。モノが溢れて、あらゆるものの操業度が不足する現在において、空いているリソース(資産)、空いているキャパシティ(容量)、空いている時間や能力は圧倒的に増え続けている、同時にインターネットの発達によって、「空いているもの」を見つけることが容易になった。このような時代状況、技術革新を背景に、あらゆる業界でアイドルが巨大な事業機会になっているのだ。タクシー業界と宿泊業界で起きた大変化、「ウーバー」と「エアビーアンドビー」はまさに経済の新しいフレームワークが登場してきたのである。

(大前研一通信より)

この現象から見えてくることは、すべての業界において、大変化、構造変化が起きていることだと思います。アイドル以外にも「オムニチャネル」や「フィンテック」という動きももっと私達に影響を与えるかもしれません。時代が変わりつつある現在において、積極的に人との出会いを求めることによって、今まで当たり前に思っていたことや、新しい視点で物事を考えることができるきっかけがおこるのだと思います。一度足下を見つめつつ、未来思考を磨いていきましょう。

(用語説明)
ウーバー:インターネット配車サービス
エアビーアンドビー:宿泊施設のマッチングサービス
オムニチャネル:好きな方法で注文ができ、好きな方法で品物を受け取れ、好きな方法で決済ができるようなビジネスの仕組み
フィンテック:金融とIT技術を組み合わせた造語

税理士 大津留廣和

制約条件は知恵を生み出す潤滑油

制約条件は自分が成長するための大きなチャンスです。例えば、仕事。予算が少ないということは制約条件です。予算や投資額が少なかったら知恵を絞ればいいんです。世の中にはやる前から「ダメだ」「ムリだ」とあきらめて行動しない人が多いように思えます。頭があるけど知恵がないと自分で白状しているようなものです。
成功している人は高い目標を立てて、その達成のために知恵を搾り出しているのです。
知恵を出して、知恵を使うことによって自分を成長させていくことは素晴らしいことです。
制約条件はあなたを大きく成長させる宝ものです。

(『投資実践ノート』 石川臨太郎著 PanRollingより一部引用)

「たいていの人はほんとうはなにがほしいのか、心の中でわかっています。
 人生の目標を教えてくれるのは直感だけ。
 ただ、それに耳を傾けない人が多すぎるのです。」と言われた言葉がありました。

バーバラ・ブラハム(米国の女性ビジネスコンサルタント)

大きな時代の変化、逆の見方をすれば、我々はすばらしいチャンスを与えてもらっているのかもしれません。日本の社会は2020年には全人口の50%超が50歳以上という超高齢化社会に突入します。色々な面で、人生を充実し、後悔しないように家族で旅行や食事に出かけることや、仕事やご自身がやりたいことを思い切りやり続け、一生自分自身を成長させていきたいものです。

税理士 大津留廣和

鎌を砥ぐ時間の投資

1日目、若いきこりは10本の木を切り倒した。鎌は鋭く、彼は力持ちで元気だった。
2日目、彼はまた一生懸命働いた。実は、1日目より働いたのだ。しかし、切り倒せた木は8本だった。次の日はもっと早くから始めようと思ってその日は早く切り上げ、翌日はぎりぎり一杯働いた。しかし、7本しか切り倒すことがやっとだった。
次の日、切り倒せたのは5本だった。5日目にはたったの3本になってしまった。しかも、日暮れまで働いて彼は疲労困ぱいに達していた。
次の日の早朝も、気も狂わんばかり働く彼に、通りかかった老人が言った。
「いったん手を休めて鎌を砥いだらどうだろうかね」
「駄目だ。木を切るので手一杯だよ」と彼は答えた。

日本の社会は2020年には全人口の50%超が50歳以上という超高齢者社会になります。
その過程において
①業界再編の加速
 国内のマーケットの縮小
②人材の不足
 優秀な労働者の確保が困難
③人口ボリュームゾーンは50歳以上
 企業のターゲットゾーンは70歳超の団塊の世代
 家、車、服、外食等すべての産業での消費意欲の減衰
がおこると言われています。日本は世界で最初に超高齢社会を迎えていると言うことです。あわせて一度立ち止まることも必要です。今こそこの逆境をチャンスに変えれる可能性があります。

一番大切な事、お客様に役立つ仕組みづくりに、改善し続けたかと自問自答してみると、このきこりと同じ事をやっていました。
今現在やっている仕事に夢中になって、その仕事をお客様に本当に役立つように工夫したり、仕事を迅速に処理するためにはどうすればよいかなどしっかり検討しないで時だけが経っていました。もしかしたら、自分の足下に大きなビジネスチャンスがあるのかもしれません。

税理士 大津留廣和

上海ショック

2008年9月に起こったアメリカのリーマンショック、その後のギリシャショック、今回の中国ショックという金融の激震が世の中で起こっています。
また市場の激変は暴風雨のように、ある日突然に発生し、その結果私達のあらゆる努力を台無しにすることさえあります。私達は好むと好まないにもかかわらず、金融の影響を受けています。それも世界的な金融緩和がすすんでいる現在においては、瞬時にグローバル的な影響を受けます。極端な為替相場の影響、株式市場の暴落等、金融市場の動きに対して、金融知識を持たず、なおかつ意識しないでは生きていけない時代に入っているのかもしれません。
経営をするにも、自分の財産を管理するにも、マーケット感覚をはやく身につける必要があります。このことが資本主義社会というものかもしれません。
マーケット感覚を身につけるとは、「右肩上がりの経済の時代が終わった」ということを理解し、市場が縮小する成熟社会で経営するためには「不動産担保の間接金融」に頼るだけの経営から「キャッシュフロー経営」を意識し、常に一定のキャッシュポジションを持って、ビジネスにあたる、自分の財産を管理する事を考えることが第一歩だと思います。
経営面でも財産管理・資産運用においても、円・米ドルを中心とした通貨分散を図りながら、経済的合理的に判断する習慣を持つことがこれからの時代に必要なことだと思います。

税理士 大津留廣和

暮らしを支える社会基盤(インフラ)~マイナンバー制度が動き始めます。~

『マイナンバーの実務』梅屋真一郎著 日経文庫より一部引用


2016年からマイナンバー制度がスタートします。

社会保障・税番号制度(マンナンバー)とは、複数の機関に存在する個人の情報を、同一人の情報であるということの確認を行うための社会基盤(インフラ)です。
「社会保障・税制度の効率性・透明性の確保」と「国民にとって利便性の高い公平・公正な社会の実現」に向けて、国民全員に一意の(固有)個人番号を割り当てる制度のことです。
番号は個人番号(12ケタの数字)と法人番号(13ケタの数字)があり、それぞれ個人と法人に割り当てられます。特に個人番号が「マイナンバー」と呼ばれます。この12ケタの数字が、これから社会生活の中で幅広く利用・活用される番号になります。
毎日の暮らしを縁の下から支える仕組みのことを「社会基盤(インフラ)」と呼びます。水道や電話・電気・ガスや学校もインフラです。暮らしに欠かせない大切なインフラの1つに、マイナンバー制度が加わります。
マイナンバー制度は、社会保障・税・災害の分野から始める「インフラ」であり、徐々にその利用分野を広げることで、私達の生活の安心・安全面を守るインフラに成長していくのです。
マイナンバー制度は世の中や暮らしを「見える化する」ことにつながります。どういう形に成長して行くか見守りたいものです。平成27年10月より随時皆様方のお手元へマイナンバー制度の番号が国から届きますので、ご自身で今回のマイナンバーの番号をしっかり意識し、管理していきましょう。

税理士 大津留廣和

マーケット感覚を身につけましょう

(中国の古典にこういう話があります。)

かまどのイメージ

ある晴れた日、ある片田舎の出来事です。
ある旅人が大金持ちの家の前を通り過ぎようとしました。
見ると、かまどの火が燃え盛っています。しかも、煙突から火の粉が出る位よく燃えています。

「これは危ない」と思った旅人は、親切心にかられて、その家の主人に忠告しました。「もしもし、ご主人、家事になると大変ですよ。燃え移るかもしれないから、煙突は屋根とは反対の方向に曲げておいた方がよいですよ。
それから、近くにある薪もなるべく煙突から離れたところに移しておいた方が無難だと思いますがね。」ところがその家の主人は、「うるさい。よそ者は余計なことを言わないでくれ。」と言ったきり相手にしませんでした。貴重な助言をもらったにもかかわらず、何の褒美もあげようとしなかったのです。
ところがその翌日、旅人が懸念していたことが起こってしまいました。煙突から吹き出た火の粉が、薪や母屋の屋根に火をつけ、大火事になってしまったのです。火を消すためにてんやわんやの大騒ぎのところに、別の旅人がたまたま通りかかりました。
この旅人は頭を焦がし、額をただれさせながら、火を消すために八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍をしました。この旅人のおかげで無事に火事はおさまりました。主人は、大変喜んでこの旅人を手厚くもてなしました。
これは、「曲突(きょくとつ)・薪(まき)をうつすは恩沢なく、焦頭(しょうとう)爛(らん)額(がく)、上客となすや」という格言で知られている話です。
マーケットは私達に色々なシグナルを出します。アメリカのリーマンショク後、世界的に金融緩和がおこなわれ、日本もアベノミクス以降(実際には東日本大震災以降)金融緩和が行われています。経済が金融中心に動いているようで何か落ち着きません。その事は私達が資本主義社会の中で経営する為に、マーケット感覚を身に着け、経営する時代に突入したことの裏返しかもしれません。

税理士 大津留廣和

読書でライバルに圧倒的な差をつける

情報ネットワーク2015年6月表紙より


日本人の年間読書量は12.3冊といいます。1カ月にたった1冊です。
さらに驚愕のデータがあります。
文化庁の「国語に関する世論調査」(2013度)での「1ケ月に大体何冊ぐらい本を読んでいるか」(雑誌や漫画をのぞく)という質問に対して、本を1冊も「読まない」と答えた人が、全体で47.5%にものぼっています。驚くことに、日本人の半数近くが本を読む習慣がないのです。「1~2冊」と答えた人が34.5%。「3~4冊」が10.9%。「5~6冊」が3.4%。「7冊以上」が3.6%です。
つまり、月に7冊読むだけで、あなたは読書量において日本人の上位4%に入ることができるのです。また月に10冊読む人は、約2%という数字が出ています。つまり月10冊の読書をすれば、日本人の上位2%に入れるということになります。

私の場合、読書をする場所は、通勤時間や移動中の電車の中や待ち時間がほとんどです。
このすきま時間がバカになりません。月に6冊から10冊は読めていると思います。新たな知識を得るためや、自分の考え方を整理するのに読書は欠かせないと感じています。あわせて気づきや仕事をする上でも時間短縮にもなります。
それと人との出会いを経験することは自分を成長させるためにも、人生を成功させるためにも大切なことだと思います。一緒に居て少し緊張する相手と積極的に付き合わせていただくことにより、本を読むことと同じようにたくさんの気づきを与えてもらえる気がしています。
本を読む、少し緊張する人や尊敬する人と会う、現場をきちんと見る、このような積み重ねの中から仕事のヒントや自分自身の成長につながるものが芽生えてくるように感じます。


税理士 大津留廣和

修業は進まないと必ず後退する

情報ネットワーク2015年5月表紙より


吉田松陰も学び、西郷隆盛も書き抜いて暗記したという佐藤一斎の言志四緑の中でも有名な言葉があります。
「少にして学べば、即ち壮にして為すこと有り。壮にして学べば、即ち老いて衰えず。老にして学べば、即ち死して朽ちず。」
意味は「少年の時に学んでいれば、壮年になってもよい仕事ができるようになる。壮年の時に学んでおけば、老年になっても実力が衰えることはなく、さらに重要人物となる。老年になって学べば、ますます人のために役立ち、死んでもその名と魂は朽ちないだろう。」

(『吉田松陰の名言100』 野中根太郎著. アイバス出版より)

今の世の中、マネタリーベース(日本銀行が供給する通貨)が目標の270兆円を超え282兆円になっている大規模な金融緩和、低金利、相続税の課税強化等がおこなわれています。このような時代において、世の中の大きな変化を恐れ、今までの秩序等にしがみついたままでいる人にとっては非常に厳しくなる可能性があります。逆に今までの固定概念にとらわれず、今後社会が求める事にチャレンジできる人にとっては大きなチャンスにつながる可能性があります。研修・読書・経験等により、時代という変化を知り、自分という者をわかることにより、自らを強化する時代に入ったような気がします。


税理士 大津留廣和

時代の潮流は大変化している

情報ネットワーク2015年4月表紙より

若い人がいないとイノベーションが起きないのではない。若い人が多い時には、若い人向け市場があるから、「若者向けイノベーション」が起こった。自動車や家電で、どんどん新製品・新技術を生み出せた。それが世界へ輸出されたから日本は世界のリーダーとなった。しかし、これからは年配者が多くなる。すると「年配者向けのイノベーション」が起きる。高齢者向け市場がでかくなるから、介護や健康、医療市場にどんどんお金が注ぎ込まれ、新しいサービスや技術を生み出せる。先進国中、日本は最も高齢化社会が進んでおり、それが今後10年、20年かけてアジアへと向かっていく。高齢者向けの新しいサービスや技術を輸出できれば、再び日本は世界のリーダーになれるのである。だから今、日本でしっかりと発芽するビジネスモデルは、全世界に広がっていく可能性がきわめて高いわけだ。

30年以上も前から、経営コンサルタントの故・船井幸雄先生は「時流が大事」と言っていた。時流を見る目が命だということだ。結局すべてが流れなのだ。
いったい、世界にはどんな流れがあり、それぞれがどこに向かっているのか?
時代が進む方向へと流れていく主流に乗って行けば、必ず可能性の大海にたどり着く。しかし、時代の進む方向性とは異なる亜流に入り込んでしまうと、一時的に儲かったとしても持続するのは一瞬。数年後には、そこの水は枯れ果てている。大きな流れに乗って行けば、ことさらにテクニックを使うことなく、時代の先頭に踊り出ることが可能になる。そうした意味で、すべての会社が、これから少なくとも10年の潮流を読まなければならない。時代が経つにつれ、すべての流れが合流する先に、すべての産業が医療・健康産業に何らかの形でリンクしてくるだろう。

「挑戦する会社」(神田昌典著 フォレスト出版)の本を読んで大きな視点に気付かせていただくと同時に刺激を受けてしまい、上記のことを考察しました。利他性を軸に発想することしか、現在の閉塞感を突破できないのでないかという認識のもと、日本人がこれからのビジネスのあり方を思考する上で、この本は大変良いヒントになると思います。


税理士 大津留廣和

お金とは人間が生み出した偉大な発明

情報ネットワーク2015年3月表紙より


お金とは本来、人間がより便利に、より幸せになるために生み出した、偉大な発明です。
ただ戦後世代の日本人は、水や空気と同じように、ごく自然に生まれた時から、お金は身のまわりにあふれていました。それゆえ私達は「お金」が発明されて初めて人々は好きなことを仕事にする自由を手にしたことを忘れがちです。
お金を稼ぐことと好きなことを仕事にすることは、まったく別の話として語られますが、もともとは、お金とは人間の「働く」という行為を多様で豊かにする偉大な発明だったのです。
そして今ある実質的価値のない紙がお金になるためには「三つの信頼」が必要です。
①発行体である日本銀行や背後にある日本の政府自体への信頼であり、このお札をつくった人への信頼
②自分が誰かから受け取るお金に寄せる信頼
③お金を受け取る相手が、あなたが差し出した紙切れを価値があると信じてくれる信頼

このようにお金が、価値ある実物(金)との交換を約束されない不換紙幣となった現在において、お金を稼ぐことも、お金を使うことも、本質的には「信頼の取引」となったのです。
この意味を理解している人としていない人とでは、結果として手にするお金の量も、過ごせる幸せな時間の長さも大きく変わってきます。現在のお金の世界は、そのような仕組みになっています。
この信頼の取引に基づくお金の仕組みがアメリカのリーマンショクによって崩壊する出来事が起こりました。この危機を救うため、アメリカは金融緩和を思い切ってすすめました。
現在は周回遅れで日本も再度大きな金融緩和を行っています。その結果日経平均等は19,000円台を回復し、年初来高値を更新しています。
今後この日本の大きな金融緩和が私達の生活に影響を与え、その結果としてお金について真剣に考えなければならない時期が近づいている感じがします。
私たちは、お金持ちを目指して、お金を稼ぐために働くのではなく、他者とのつながり(=信頼関係)を築くために働き、自らを成長させ、才能を伸ばし、精神を高め、より便利に、より幸せになるための力として「お金の仕組み」を考えたいものです。

(『なぜ日本人はこんなに働いているのにお金持ちになれないのか?』 渡邉賢太郎著. いろは出版 より引用)


税理士 大津留廣和

最も大切な資源とは

情報ネットワーク2015年2月表紙より


人生においてただひとつ確実なことがあります。それは、人生は有限であり、必ず終わりがあるということです。時間こそが一番大切な資源です。
一点に集中するとはつまり、それ以外のことをいかにやめるか、ということです。
まずはやるべきことに集中し、自分にとって、そのときどきで一番大事なものは何か、ということをきちんと認識しないといけません。どうしても「重要ではないけれど、緊急なもの」に日常は振り回されています。一方で、ついつい忘れてしまうのは「緊急度は低いけど、重要度が高いもの」です。それが何なのかをしっかり見極めておく。これをやっておかないと、重要度の高いものが前に進んでいかなくなるのです。
そのことと同じように、経営者にしかできないことと、自分でなくてもできる仕事をはっきり分ける。そうして経営者としての時間を確保する。そうしないと日々目の前のことに流されて、肝心なことに時間を費やせない、ということになってしまうのです。
一番意識しなければならないことは、中小企業の社長にとって最も大切な資源は、経営者の時間だということです。社長は経営者としての時間を「やるべきこと=ミッション」の実現にあてることを優先すべきだと思います。

子供たちが一人前になり、家を出て行き、夫婦2人の生活が始まるのが50歳代後半から60歳代にかけてだと思います。その時、経営においても日々の生活においても、もし今、ここで人生が終わったら、何を後悔するか、後悔しないよう、やるべきこと、やりたいことだけをしていければいいと思っています。そのためにも2週間に一度ぐらいは3時間程度のまとまった時間をとり、
日々の仕事を一度俯瞰する必要があると感じます。そうすることにより、本当に自分がやりたいこと、やるべきことに時間を費やしているかどうか。これは仕事に限らず、常に自分に自問してみるといいと思います。

(「『ついていきたい』 と思われるリーダーになる51の言」. 岩田松雄著. サンマーク出版より一部引用)


税理士 大津留廣和

あらかじめ決まっている未来(格差問題を考える)

情報ネットワーク2015年1月表紙より


日本の人口は2010年から減少を始めており、2030年には1億1500万人、
2050年には9500万人まで減るそうです。その一方で総人口に占める老人人口(65歳以上)の比率は30年には31.8%、50年には39.6%まで上昇し、年少人口(14歳以下)の比率は50年には9.7%と1割を切るそうです。
もうひとつはっきりしているのは、日本国の借金が増えることがあっても減らすのがきわめて難しいことです。国と地方の債務の合計は1994年に450兆円、2000年に700兆円でしたが、現在は1000兆円を超えています。
まさに日本の財政赤字は喫緊の課題であり、アベノミクスにとっても格差拡大のコインの裏にある経済成長こそ最優先課題なのです。当然のことながら格差を広げるためにやるのではなく、財政赤字を縮小するために経済成長が必要で、その結果として格差が広がりやすい政策を取らざるを得ないということです。
その意味で、少なくともこの先20~30年を考えた場合、日本は格差が広がっていく可能性が最も高い国になると思われます。というのも日本の財政状態は先進国の中で最悪で、これを解決していくには何としても経済成長は必要であり、そしてその経済成長と表裏一体の関係にあるのが格差問題だからです。
経済成長は必要であり、格差は広がるという問題は今後いたる所において2極化が進むことだと思います。金融緩和がこのまま行われ、人生における経済的リスクに対してどう対応するのかは、ビジネスの現場においても、個人の財産形成、年金問題等においても避けて通れない問題になってきました。

(「リスクを取らないリスク」 堀古栄司著. クロスメディア.P社 より一部引用)


税理士 大津留廣和