おおつるレポート(2017年)

お金のルールを考える

お金とは人類が発明したもの凄い仕組みだと思います。
お金には3つの機能があると言われています。
①交換できる機能
②価値の尺度としての機能
③価値を貯蔵できる機能
この3つの機能のお陰で、私達は日常生活を快適に暮らすことができます。
しかし、最近では実体経済より金融経済の方が物凄く大きくなり、色々な歪や格差の問題等が起こり始めています。でもお金は水や空気と同じようにこれから何をするにしても、生きていくうえで無関係でいられない必要不可欠なものです。学校では教わらなかったお金の仕組みを理解するとともに、お金に対し、感謝の気持ちを持ち、しっかり向き合わないといけないと思っています。
経営者であればお金のルールは仕事のルールでもあり、社会と生きていくのに必要不可欠なものです。また、お金の稼ぎ過ぎや使い過ぎ、貯め過ぎは私達自身の健康を損なう可能性があります。
お金といい関係を保ち、バランスよく付き合うことが大切です。
お金の仕組みに対し真摯に向き合うことは人生の一回性を真剣に生きることであり、お金をバランスよく管理し、利用することが、私達自身の才能を社会に還元することだと考えています。

(『ザ・マネーゲームから脱出する法』 (ロバート・シャインフェルド著 SB Creative社)より一部引用)

税理士 大津留廣和

「セーブ・モア・トゥモロー」戦略

自分の収入のうち、何%を自分と家族のために貯蓄するか、決めなければならない。将来、お金のことで困らないためには、「今、自動天引で貯蓄できるかどうか」にかかっている。貯蓄するという第一歩を踏み出せない人のために「セーブ・モア・トゥモロー」戦略という考え方があります。「セーブ・モア・トゥモロー」戦略とは今まで貯蓄や投資をしていない人が急に始めると、「貯蓄」=「今何かを諦める、今何かを失う」と考えがちだからだ。それゆえ、自動的に給与の一部(10%か5%、ほとんど苦痛を感じないわずか3%でもいい)を貯蓄に回すことに決める。この後、将来に昇給があった場合には、貯蓄額をさらに増やすと決める。昇給する度に貯蓄に回すお金の額は自動的に上がっていくが、手取り額は昇給前と変わらないので、「お金を失った」とは感じない。

『世界のエリート投資家は何を考えているのか』(アンソニー・ロビンズ著 三笠書房)

 給料や自分の収入から毎月、自動引き落としでお金を貯める仕組みを意識し始めることはお金の管理や貯蓄にとって大切なことです。アメリカのリーマンショック後の時代において、金融緩和、低金利が続いています。それゆえ、「自分の収入や給料の何%を自分と家族のために自動振替で最初に貯蓄する」を習慣にし、金融リテラシーの一環として、税金、借入金、キャッシュフローの考え方を理解することは私達の生活の中においてかかせないことになり始めています。今まで以上に金融の仕組み(自動振替による最初の貯蓄、少人数私募債、借入金の年間返済金額の最適化、増資、セール&リースバック等)を意識し、経営にあたりたいものです。

税理士 大津留廣和

お金の役割(お金の機能)とは

お金の機能としては
①交換機能(決済機能)②価値の尺度機能 ③価値の保存機能
という3つの機能があります。
交換機能
モノやサービスと交換したり、それらの価値に対して報酬を支払ったりする手段
価値の尺度機能
モノやサービスの価値が誰にでもわかるように示す、共通の価値のものさし
価値の保存機能
いつまでも変わらず、価値の額面があるので価値を蓄積・保存できます。必要なときにいつでも取り出し使えます。

お金とはまさに人類が発明したもの凄い仕組みであり、機能です。私達一人ひとりや金融機関、政府、国の信用のもとに成り立っています。私達が毎日、農作物を栽培したり、魚を獲ったり、服や家具や車や電気器具等を作ったりしないで、この便利な生活ができるのはまさにお金の効用です。ゆえにお金は人間にとっては、「火」の効用と同じように、使い方が正しければ、便利で役立ちますが、使い方を間違うと「火傷」をします。もし、そうであるならば、このお金の管理をきちんとすること、具体的にはご自身の資産と負債の管理をしっかり把握することが、お金の価値を最大限発揮する入り口のような気がします。今現在進行している金融緩和、量的緩和、低金利等が将来の私達の生活に影響してくることを見据え今からしっかりお金を管理していきましょう。

税理士 大津留廣和

”7”で終わる年には何かが起こる?

①1987年10月はブラックマンデー(米国発の世界同時株安)
ニューヨーク・ダウ工業株30種平均はたった一日で20%強下落し、米国発の世界同時株安で市場関係者は肝を冷やした。
②1997年はアジア通貨危機
7月のタイの通貨切り下げを機に、年末に韓国、翌98年春にはインドネシアに危機が連鎖。98年8月にはロシア国債が債務不履行となった。
③2007年8月には米のサブプライム・ローン問題に端を発したパリバ・ショックが発生した。
米住宅バブルと証券化バブルが相次いで崩壊し、2008年9月にはリーマン・ショックに至る。
ほぼ10年サイクルで繰り返される金融危機は、経済活動がバブル化し、負債が積み上がったことの反動である。引き金は長期金利の上昇という、債券市場の乱だ。

「今そこにあるバブル』(滝田洋一著 日経プレミアシリーズ)より一部引用

今現在はこのリーマン・ショック以降の世界的金融緩和・量的緩和のなかで金利水準も低下し、一部の人達は株や不動産が値上がりし、事業のイノベーションに成功した経営者はこの金融緩和等の後押しをうまく利用し儲かりはじめています。その結果、再度一部ではバブルが起こっているのかもしれません。米国は金融緩和・量的緩和の出口戦略を模索していますが、日本は出口が見えない状態が続いています。バブルが崩壊すると、バランスシート(貸借対照表)の「資産」の価値は見る見る減少するが、半面で「負債」はそのまま残るので、企業や家計の財務は窮地に陥ります。企業の場合は儲けが出ても前向きの投資に充てるのではなく、負債の返済に回さなければなくなります。この経験を再度確認しましょう。せっかくの金融緩和等の政策を目先の安心に使うだけではなく、土地本位等の「含み資産経営」ではなく「キャッシュフロー経営」に徹する事を再度確認し、もし将来何らかのショックがあったとしても、この次はこのショックを次世代にとって、50年100年に一度の資産作りのチャンスぐらいの余裕を持った気持ちで経営に当たりましょう。

税理士 大津留廣和

「騎馬戦型社会」から「肩車社会」へ(?)

2016年11月1日現在、27.3% これは、65歳以上の高齢者が総人口に占める割合だ(総務省「人口推計」)。日本社会はすでに、4人に1人以上が高齢者という社会になっている。しかも、これから、高齢者の数はますます増えていく。2030年にかけて、高齢者率(65歳以上の高齢者が総人口に占める割合)は、31.6%に達すると予測されている。つまり約3人に1人が高齢者という世界が到来するのだ。(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」)。

この事をお金の視点から見てみると、日本銀行の発表によると2016年12月末時点で家計が持つ金融資産は1,800兆円と過去最高を記録しました。このうち約6割の1,000兆円を60歳以上の人たちが所有しているという事実です。
日本の社会は今後、人口の絶対数が激減したり、高齢者が激増する社会に突入し、そのことによって生じる障害があるが実際に高齢者が持っている金融資産をどう使うのか、どう対応するのか、どう生かすのかが問われています。今後の高齢化社会とは①65歳以上も働き続けるという選択や、②年金も含めて資産管理や資産形成がより必要な時代になるということです。まさに世の中は人口構成比から見ると「騎馬戦型社会」(3人に1人が高齢者)から「肩車社会」(2人に1人が高齢者?)に将来突入するということかもしれません。結果2065年の生産年齢人口(20歳から60歳まで)は4,529万人(現在の約60%ほどに減る)になり、一方高齢者率は40%近くまでに増える可能性がある。
まさに日本は高齢化社会になりますが、ただ高齢者にはお金があります。そしてバブル経済を経験した新しい高齢者たちがこの巨額なお金をすべて墓場まで持っていくとは到底考えられません。もしそうであるならば、この未曾有の人口減少時代を乗り越え、豊かな国であり続けるには、一人ひとりがしっかりと現状を把握(自分の置かれている状態、働き方、自分の持っている資産や年金の金額等)し、発想を転換していくことにより非常におもしろい時代に突入すると思います。将来をどう見るかはまさに私たち一人ひとりの行動にかかっています。

『超高齢社会だから急成長する日本経済』(鈴木将之著 講談社+α新書)より一部引用

税理士 大津留廣和

ワクワクして生き始めた時に、起こる2つのこと 〜運命は性格のなかにある〜

ワクワクした気持ちを感じる時には、自分が非常にパワフルになっていることがわかると思います。ワクワクすることを始める時、2つのことが起こります。
第一に、非常にすばらしい偶然が次々と起こります。常に魔法のように、あるべきところに、あるべきことが起こります。
そして第二に、自分のやるべきことが、努力なしに進むようになります。「あなたが何者か」を示すことを自然にやっているからです。あなたの外で起きている変化は、本当は「あなたの意識の中」で起きている変化です。なぜならば、あなた自身があなたの現実をつくっているからです。自分自身の変化を信じて、逆らわず、その変化の流れに乗って自分の今一番やりたいことをするのが、あなたの本当の道を歩くことにつながっていきます。
それが、あなた自身のポジティブな成長につながってくるのです。

『人生に奇跡を起こすバシャール名言集』(バシャール著 VOICE新書)より引用

芥川龍之介の本『侏儒の言葉』の中にも「運命は偶然よりも必然である。運命は性格の中にある」というくだりがあります。
人の運命はその人の性格(心)によるところが大きいということです。このくだりが今私自身の心の中に微妙に感じさせられるところがあります。そして性格(心)は日常の習慣の中から出来上がっていくそうです。もしそうであるならば、大切なことは、自分の意識を過去や未来のことばかりに向けるのではなく、「今、ここ」に意識を集中する習慣を身に付けることかもしれません。

税理士 大津留廣和

林住期(50歳から75歳まで)の生き方

作家の五木寛之氏の著書『林住期』において、古代インドでは人生を4つの時期に分けたと言います。生まれてから25年間が「学習期」、25歳から50歳までが「家住期」、50歳から75歳までが「林住期」、そして75歳以上が「遊行期」、と言ったそうです。
五木氏は人生の黄金時代は「林住期」だと言うのです。なぜ「林住期」が黄金時代なのか?それはこの時期が会社や家族のために働くのではなくて、自分のために働くということです。「林住期」は同じ働くのでも人のために働くのではなく、自分のために働くということです。

世の中少子高齢化の時代が続き、人手不足が続いています。また年金の支給開始年齢を70歳以上にしたいというような国の思惑も見え隠れしています。でも私達中小企業の経営者は、この「林住期」を思い切り充実できる生き方にする存在だと思います。あわせてこの「林住期」の人達の働き方を考え、一番先に実行できるのが中小企業だと思います。発想の転換をするだけで、経営者もそこで働く人達も週休3日で自分達のペースで働き、「林住期」を充実して生活できる気がしています。

税理士 大津留廣和

貯蓄から資産形成へ

「貯蓄から資産形成へ」というスローガンをご存じでしょうか。
これは、2016年9月に公表された金融庁の「平成27事務年度 金融レポート」に書かれている項目の一つです。2016年9月末時点の個人金融資産は1752兆円で、このうち現金・預金が916兆円で全体に占める比率は52.3%です。日本人の個人金融資産が、相変わらず現金・預金に偏っていることがわかります。これら膨大な現金を株式や投資信託を通して、資産形成してもらいたいというのが国の考えです。
ただし日本は高い経済成長率が長期にわたって続いたことで所得も右肩上がりだったため、多くの人が株式などによる資産運用の必要性を感じないまま、今に至っているのです。しかし、これからの時代、現金・預金のみで資産を保有し続けていたら、いつまでたってもお金が増えていかないのです。増えないどころか、減っていく可能性が高いといってもいいでしょう。
今現在、日本の年金受給者は非常に恵まれていました。しかし、これから先、日本の人口は加速度的に減っていきます。あわせて私達の平均寿命は伸びていきます。
その結果、厚生年金、国民年金の受給開始年齢である65歳が、70歳、75歳になるのは既定路線といってもいいでしょう。もしそうであるなら、私達は大切な時間を有効に有意義に使う為、65歳までと65歳以後の働き方を一度整理し、働けるなら自分の満足するやり方で何歳までも働ける体制を作りたいものです。合わせて、①収入よりはるかに低い支出で生活する、②資産形成のために、時間、エネルギー、お金を効率よく配分する、③給与天引でiDeCo(個人型確定拠出年金)等を利用する、④経営者であれば小規模企業共済に加入する等をスタートにし、お金でお金を働かせる体制を今から準備していきたいものです。

『個人型確定拠出年金iDeCoで選ぶべきこの7本!』(中野晴啓著 ビジネス社)より引用

税理士 大津留廣和

「何をするか」ではなく「何をしないかである」

経営で大事なことは何をするかではなく、何をしないかである。
戦略というと、新規事業として何をやるかという成長戦略を想起される方も多いでしょう。これはまさに「何をするか」という議論です。しかしそれ以上に大事なことは「ここから先はしないこと」を明確に決めることです。経営戦略論の大家であるマイケル・ポーター教授の言葉です。なぜ「ここから先のことはしない」という意思決定が必要かと言えば、経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報、ネットワーク)に限りがあるからです。
少子高齢化が続いている日本国内において、今のままの経営を続けていると、粗利益が少なくなった仕事をそのまま続けることになり、その結果として人を採用することも難しくなります。新たな挑戦や試みもできず、本来やるべきでない事業をそのまま抱えすぎて、業務をし続けている可能性があります。事業を成長させるために、事業を次世代に承継させるために、自社の強みを再確認し、「何をしないかを明確に決める」ことを強く求められているのが、今現在かもしれません。

日本の労働生産性がほとんどの産業で米国に遠く及ばない理由の一つが、この決断の中途半端から起きているのかもしれません。「一人当たりの生産性」を上げないと私達中小企業の経営は成り立たない、ということをもっと意識して経営に当たりましょう。

『MBA100の基本』 (グロービス著 東洋経済新報社)より一部引用

税理士 大津留廣和

本当の相続対策とは?

①「借入金をすると相続税が安くなる?」、②「賃貸マンションや賃貸アパートを建築すると相続税が安くなる?」と言われていますが、本当の相続対策になっているのかどうか検証したいと思います。

①預金が1億円ある人と現預金が2億円あり借入金が1億円ある人は、どちらも純財産が1億円ですので借入金があるなしに相続税は関係しません。
②土地が1億円、現預金が1億円ある人がそのままでいるケースと1億円で賃貸マンション等を建築した場合
イ、土地が1億円、預貯金が1億円の人は合計で2億円になります。
ロ、土地が1億円で、現預金1億円で建物を建築した場合
 (借地権割合が60%の地区の場合)
土地の評価は1億円×(1-0.18)=82,000千円になる(貸家建付地評価になります)
建物の建築価格1億円は固定資産評価額が下がる為、概算で1億×0.5×0.3(貸家権割合)=30,000千円の評価額になります。
結果2億円が82,000千円+30,000千円=112,000千円の評価額になります。
評価額概算で88,000千円下がったことになります。
賃貸マンション等を建築すると相続税が下がるという考え方はある面正しいことになります。

ゆえにこの現預金を使わないで金融機関からの借入金で賃貸マンション等を建築することが相続対策であると言われて
いる理由です。但し今はデフレ時代の真っ只中ですので、相続税という視点から考えるのではなく、経済的合理性からこの賃貸マンション等は収支があっているのか、将来の賃料低下や金利上昇に耐えられるか等を考えないといけません。
昭和(戦後)の時代は総資産を増やす時代でした。(インフレ時代)
今現在はキュッシュフロー経営の時代です。(デフレ時代)
先の見えない時代においては、変化に対応する為に、流動性を高めておくことが大切です。
税金を抑え、含み資産経営をしているとキャッシュが回らなくなり、非常に危険です。
利益を多く出し、税金(特に法人税等)を多く納める人達が勝組になります。経営を判断する際、節税という視点から判断するのではなく、経済的合理性という視点から判断する習慣を持ちましょう。まさに21世紀はキャッシュフロー経営に徹した人達が生き残ります。私達はお金を世の中の為に、有効に使って、ご自身の為、家族の為、社会の為に役立ちうる存在になることが大切な時代です。

税理士 大津留廣和

人生で一番貴重なことは

時計のイメージ

人の一生には2つの制約があります。それは「お金」と「時間」です。
どちらも無限大に使えるとしたら、それはもう贅沢極まりない人生でしょうが、そう甘くはありません。なかでも「お金」は、働かない以上手入れることはできません。だから、誰でも大人になると働きに出るわけです。ただし、働けば働くほど「時間」がなくなります。この矛盾。お金と時間のバランスをどうとるかを考える必要がありそうです。
そして人生で一番貴重な財産は時間だと思います。
なぜなら「時間」には
①有限である
②他人に譲渡することも、売買することもできない
③元には戻せない
④いつ失われるか、つまり、いつ死ぬかわからない
そして時間は自分の思い通りにコントロールできないからです。時間はまた1日24時間、1年は365日と誰でも人間には平等に与えられています。そして人間どんなに努力しても、お金をたくさん使っても、時間それ自体を増やすことや、買ったりすることはできません。それならば、その限られた時間を、いかに有効に使うかが、人生においても、仕事をすることにおいても、一番大切なことです。
「他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる」(カナダの精神科医でエリック・バーンという人の言葉)とは自分の裁量で時間に融通をつけることができることを意識しましょうと言うことだと思います。最終的にはお金、時間、健康、人間関係をいかに意識し、生活をする、仕事をする、投資をすることが問われています。そのための第一歩は会社経営であれば毎月遅くとも7日までには前月の業績がわかる体制を作ることであり、個人においては毎月月末において自分の財産・債務の把握をできる体制を作ることだと思います。

税理士 大津留廣和

※『16歳のお金の教科書』(インベスターZ公式読本 ダイヤモンド社)より一部引用

マーケットと向き合う

これからの時代、マーケットと向き合うことがますます重要になってくる。マーケットとは金融市場全般、とくに株式市場のことをいう。「マーケットと向き合う」とはどういうことか。マーケットから貴重な情報を入手し、これを理解して、自分の行動に役立てる。ものごとを洞察する際に、マーケットはどう反応するのだろうかというポイントを入れて検討してみる、そしてもっと重要なことだが、マーケットと同じ視点にたって自分の会社や取引先を見てみる。そして好むと好まざるとにかかわらず、世界の金融は連鎖の度合いを強めてきている。そして「この流れは止められない」ということ。この先を考えた場合、「マーケットと向き合う」ことを習慣づけておくことが重要だ。
日本的な慣行に固執するのではなくて、グローバルな見方を身に付けてみる。マーケット的な視点を持ちつつ、日常業務にあたることで、あなたの仕事は深みを増すだろう。そして何よりも、リーマンショックのような危機がこれから先に起こるとしても、普通の人よりも一段上の「事前察知能力」を身に付けることができるだろう。

『残酷な20年後の世界を見据えて働くということ』(岩崎日出俊著 SBCreative)

年末年始の株式市場の動きをみていると、平成29年は昨年と比べ株式相場は日米とも真逆で相当強い動きを感じています。株式市場の動きが即、私達の生活にすぐ目に見えて影響を与えてくるようには感じませんが、おそらく底辺では相当なインパクトが将来現れるかもしれません。世の中、リーマンショク以降なかなか実体経済が成長しないため、世界的に金融緩和・量的緩和の時代が続いています。この金融緩和・量的緩和が必要以上に続いている問題と同時にアメリカの長期金利が上がり始めたことにより今年は大きな変化の年になりそうです。
それゆえ今まで以上にキャッシュの価値とキャッシュの管理を意識して、毎月末には預貯金・有価証券等と借入金の残高をきちんと確認すると同時に、経営者であれば将来《第4次産業革命「IOT、フィンテック、AI、ロボット、ビッグデータ、シェアリングエコノミー」》に向けての投資を検討し、個人的には資産形成を考えて行動し始める年にしていきましょう。

税理士 大津留廣和