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大津留税務会計事務所
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おおつるレポート(2011年)

時代の病

情報ネットワーク2011年11月表紙より


戦後の日本人の人生設計は4つの神話(①不動産は上がりつづける。②会社はつぶれない。③円はもっとも安全だ。④国家は破産することなどありえない)の上に築かれてきました。この4つを前提としたポートフォリオは、戦後の経済成長に最適化した人生設計でした。しかし、いったんリスクが顕在化すれば、それは個人の人生にとてつもない厄介をもたらすことになります。
日本が急速に閉塞感を強めていった理由のひとつは、多くのひとがこの経済的なリスクに気づきはじめたからです。しかし、それでも「神話なき時代」の新しい人生設計を見つけ出すことができずに、耐用年数の切れた古臭い設計図にしがみつくしかありませんでした。そのことがますますリスクを高め、社会を閉塞させていったのです。
日本人はリスクを回避し、安定した人生を送るために、私たちは偏差値の高い大学に入って大きな会社に就職することを目指し、住宅ローンを組んでマイホームを買い、株や外貨には手を出さずひたすら円を貯め込み、老後の生活は国に頼ることを選んできたのです。
しかし皮肉なことに、こうしたリスクを避ける選択がすべて、いまではリスクを極大化することになってしまいました。この事態は97年の金融危機(あるいは90年のバブル崩壊)からはじまっていたのですが、多くの日本人は「不都合な真実」に顔をそむけ、3・11によってはじめて自らのリスクを目の前につきつけられたのです。
国家破産を恐れる人々は政府を声高に批判しますが、自分自身がリスクを生む原因になっているのですから、どれほど叫んでも不安が去るはずはありません。これこそが、私たちの時代が抱える病なのです。

(大震災の後で人生について語るということ 橘玲著 講談社より 引用)


たしかにバブル崩壊以降、一般的に首都圏の土地も高値から4分の1ぐらいに下がりました。平成に入ってから住宅を買った人たちは何か元気がでないのはその辺にある気がしてなりません。今日本の金融機関から借入している企業の借入金額の内、約44兆円はリスケ(リスケジュールの略。一般的には金融機関からお金を借りて、返済が困難になり、月単位等の返済プランを変更すること)をしていると言われていますし、世界に目を向けるとアメリカのリーマンショクから3年経ったいま、ユーロ圏の金融不安が起こっています。

今後自分と家族を守る為には、何が起きても大丈夫なように最低限の金融の情報と金融資産を持つことが「経済的な独立」のために必要になり、このことを目指すことが第一段階です。それができた段階で日本の将来起こるであろう金利上昇、円安、インフレに対応する手法を今から検討し、じっくり時代を見据える段階に突入した感じがします。日本円で見れば例えば、不動産を含めて8,000万円を持っている人は、8,000万円ですが、これをドルベースでみれば1ドル120円の時は666,666ドルですが、1ドル76円の円高の時は1,052,631ドルになります。
あなたも立派なミリオネア(?)の仲間入りです。


税理士 大津留廣和

効率化の嵐と仕事の細分化の弊害

情報ネットワーク2011年10月表紙より


最近はほとんどの業種で、求められる商品やサービスの品質レベルが格段に上がり、少し前と比べると隔世の感がある。
消費者の目ははるかに厳しくなったし、さまざまな規制も以前とは比べものにならないくらいに細かくなっている。それに伴い企業の側では、仕事が煩雑になり、人員の減少とあいまって、負担は若い人だけではなく、管理職も含めてさまざまなところにかかってきている。やらねばならないことが格段に増えたのだ。結果として、仕事は効率的にはなったけれど、一人ひとりの仕事の範囲は昔よりもはるかに限定され、その範囲内で迅速に、煩雑で精密な仕事をこなすことが求められるようになった。
「与えられている、ごく狭い立場や役割の範囲でのみ仕事をする」ことが当たり前の状態になってしまっているのである。みんながそれぞれ、自分に課せられた役割をまっとうし、持っている立場を守って仕事をしている。いい加減な仕事をしているわけではない。まじめに一生懸命、責任もしっかり感じながら仕事をしていることは確かなのに、次々と問題が起きてしまう。
おそらく原因は昔なら、環境が整備されていないため、若いころから能力の高い人物ほど、必然的にいろいろな仕事に手を出さざるをえないような経験をする機会が多かったから、自然と全体を見る目が育ちやすかった。つまり「会社」という大局観をそれなりに持つことが可能だった。しかし、今の若い人は、やる仕事が限定されているために、どうしても全体を見る目が育ちにくい。大局観が養われにくいのだ。全体が見えていない人間は余裕をなくす。見えていないから不安になるのだ。加えて、人員の削減が物理的な余裕をさらに奪っているという状況が、多くの職場の姿だ。

(なぜ社員はやる気をなくしているのか 柴田昌治著 日本経済新聞出版社より)

コミュニケーションや、人と人とのつながりなどが、足元で崩壊している。こんな状態だと、人々は「こうしたほうがいいのでは」と思うようなことがあっても、すぐに無力感にとらわれて「考えてもしかたがない」とあきらめてします。そして、「とりあえず言われたことさえやっておけば文句は言われない」という考え方をする人たちが増えていく。
その結果多くの社員がやる気も主体性もなくしてしまいつつあるのである。
大局観を養うため、持ってもらうためには、意識的に効率を考えないで簡単なことは一人ですべてやってもらう機会をつくることや会議で全体を意識させる情報を今まで以上に伝えることの重要性が増していることを意識していきましょう。この意識が我々中小企業の強さであり、今まで以上の価値を生む源泉かもしれません。


税理士 大津留廣和

成功する人は

情報ネットワーク2011年9月表紙より


アメリカのリーマンショクから早いもので、もう3年が過ぎようとしています。 日本においては中小企業の金融を立て直すため、国は、緊急保証制度・セーフティーネット貸付の創設・中小企業金融円滑化法の施行・金融検査マニュアルの改訂・監督指針の改訂等の取り組みにより、中小企業の倒産防止に大きく貢献してきました。
今回金融庁から円滑化の延長とともに、円滑化指針の改訂が行われ、金融機関の行員の人達に中小企業の経営者に対して、最適なソリューション(経営課題を解決するための方策)を提案するようにコンサルタント機能も求めています。
今の金融情勢において、経営者は甘えることなく、一度成功する経営者と成功しない経営者の決定的な違いとは何かを考える必要があると思います。

成功できない人は、何かをやろうとするとき、できない理由ばかりを並び立ててやろうとしません。そして努力をしないにもかかわらず、良い結果だけを人一倍願望します。
それに対して、成功する人は、相対的にやりやすいことから始めて、一歩ずつ確実にやって行きます。前向きに考え、決して諦めない。そして創意工夫を重ねていきます。
別の言い方で表現すると「光の部分を見るか、影の部分を見るか」「長所を見るか、短所を見るか」ではないでしょうか。
この取り組みの姿勢が成功と失敗の原因の一つの要因になります。
それと、もう一つ決定的な要因は粘り強い継続力です。つまり根気です。
私達は「自らを強化する時代」に差し掛かったことを意識して行きましょう。


税理士 大津留廣和

前提条件が変わった

情報ネットワーク2011年8月表紙より


日本という国は巨額の財政赤字の為、過去20年間、巨額な負の遺産が国債という形で増え続けています。
20年前の1990年、日本の一般税収は60兆円ありました。ところが、2010年の一般税収は37兆円しかなかったようです。20年間で一般税収は4割も減ってしまったのです。一方、財政支出は2010年には、少子高齢化の進展等により、約92兆円に順調に増えてきています。
つまり、日本の財政の最大の問題は、支出が増えることはわかっていたのに、何も手を打たなかった為に20年前より4割も税収が減り、支出の3分の1程度しかないことにあります。これでは、相当の節約や行政改革をしても、到底追い付けないことは明らかです。
その原因の一つが
首都圏(東京・埼玉・神奈川・千葉)の高齢化が加速
「2005年 老年人口 17.5% ~  2035年 老年人口 32.2%」と
高齢化の進展です。高齢化はこれまでは地方とくに農村部で進んでいましたが、これからは大都市を襲ってきます。とくに一極集中している東京・首都圏ではすでに大きな変化が起きています。
あわせて貯蓄率、つまり可処分所得に対する貯蓄の比率は2%台まで低下しています。かっての貯蓄大国といわれた面影はありません。

(ジャパンショックより一部引用)

世の中の仕組みや仕事のやり方が変わっていないにもかかわらず、前提条件があっという間に変わってきています。現実問題として起きている事実をきちんと直視し、経営者は時代の流れの中で、特に震災後はお客様の要求が変わってきていることを意識しましょう。
社会環境の大きな変化は待ってはくれません。


税理士 大津留廣和

捨てることの大事さ

情報ネットワーク2011年7月表紙より


チャンスをつかんで成功したい。
幸せになりたい。
と願うなら、まずは身の周りにあるいらないものを捨てることからはじめましょう。
それは自分を見直すことでもあります。
いらないものを捨てるだけで、人生は大きく変わります。
行動することをためらったり、悩みや心配事が増えるときには、必ずと言っていいほど、よけいなものや人間関係に支配されています。
信じられないと思うなら、オフィスにあるあなたの机をチェックしてみて下さい。
仕事がうまくいっていないときには、机の上は書類で散らかり放題、引き出しの中はいつ
使ったかわからない書類やノート、伝票、筆記用具の類であふれかえっていたり、ごみ箱もいっぱいだったりするはずです。
机を見れば、その人の能力がわかります。
こんな状況でチャンスを引き寄せようとしても、うまくいきっこありません。
まずは、「今持っているもので、いらないもの」をより分けて、捨てましょう。
それは、「あなたの運を下げているものたち」だからです。

(大きなゴミ箱を買いなさい 白井由紀著 ダイヤモンド社より参照)


仕事においてもうまくいかないときは過去の成功体験を一度見直しましょう。
人間関係においてもいつまでも古い人間関係に縛られていては、新しい出会いはやってきません。
自分自身においても不平不満やうらみやねたみなど、自分自身を滅入らせるネガティブな感情も運気をさげますので、今すぐ捨てましょう。
仕事も人間関係も自分自身も一度いらないものを整理し捨てると大事なものが入りはじめる感じがします。


税理士 大津留廣和

震災後の中小企業の在り方

情報ネットワーク2011年6月表紙より


今現在、世の中が激変しています。
2007年の9月、アメリカのサブプライムローン問題(サブプライム住宅ローン危機)をきっかけに、国際的な金融危機が発生しました。極端な金融収縮が起こり、世界の主要国においては経済立て直しのために、金融緩和に走り、金融機能と経済が回復してきました。
日本においては当時、経済は順調だったにもかかわらず、一気に景気が悪化し、在庫が膨らみ、特に中小企業の経営においては厳しい経済環境が起こりました。
その後、金融政策等の後押しで、なんとか経済が持ち直し始めた矢先に、東日本大震災が発生しました。福島第一原発の原子力の問題も発生し、震災の問題と電力も問題も重なり、景気が一気に落込みました。このような現状において、中小企業の経営者は今まで経験をしたことのない中で経営を行っています。
平成2年の日本のバブル崩壊、その18年後のアメリカのリーマンショックにより中小企業を取り巻く環境変化は、中小企業の経営者に対して待ったなしの決断を迫まれました。今回の東日本の大震災後においても、同様に経営者は待ったなしの決断を迫まれています。但しそのような激しい環境変化に対して自分達の目指す経営をしている経営者達は、その環境変化に適応し/着実に実力を伸ばし、世の中に必要な企業に成長して行っています。

マーケティングの基本は「現場」にあります。
「当たり前」のことの連続が経営の基本と言われています。
自社の戦略、存在価値がどこにあるのか、足元を見つめ、今の経済環境に対応して、総資産キャッシュフロー率の高い経営のやり方に経営者の意識と経営の実態を変えていきましょう。


税理士 大津留廣和

予期せぬ大震災

情報ネットワーク2011年5月表紙より


3月11日に予期せぬ大震災が発生しました。
その結果、大変な犠牲者とともに、いまだ福島第一原発の解決の糸口がみえず、不安な日々を感じています。危機が起こった時(3月11日の地震発生後)どのような行動をとったのか、一度検証しておく必要がありそうです。それと今後の問題として
①原発に対する危機感と計画停電から関連するエネルギーの問題にどう対応するか
(停電がおこる前とおこった後どういう行動をするか、自社内で確認をきちんとしておく)
例えば、
(イ)PCやサーバー等の機器を停止する (シャットダウンして電源をオフにする)
  (コンセントから電源ケーブルを抜く)
(ロ)停電
(ハ)電力回復
(ニ)PCやサーバー等の機器を起動する (コンセントから電源ケーブルをつなぐ)
  (電源をオンにして動作を確認する)
②リスク管理の問題 (どう連絡を取り合うか、あわせてどこに集合するか。
火災保険、地震保険の加入状況、預金の管理等どこに置いておくかも検討しておく)
③土地を財産として捉える考え方・土地はいつでも売れるという考え方 (財産管理の仕方)
④本当の意味で人生の生き方 (価値観の変化)

いろんな意味で今回の震災から得られた教訓が私達一人ひとりの今後の生き方の試金石になる感じがします。9・11事件(2001年アメリカ同時多発テロ事件)の衝撃的な事故の際、時の市長が『まだその傷跡がなくならない、悲しみに満ちている最中に、経済を今まで通りに動かし、生活していくことが、復興につながり、世の中を活性化させる』と言っていました。
あまりにも多くの犠牲者、家を失った人たち、もしかしたら二度と住めなくなるだろう土地、放射線の汚染等、あまりにも大きすぎる影響が起こりましたが、今元気でいる私達経営者やそこで働らいている皆が、普段通りにきちんと事業・生活を続ける体制を再構築することが日本の復興につながる気がしてなりません。
働けるありがたみを再確認し、再度自社のバランスシートを経営者はしっかりチェックし、キャッシュポジションを上げ、どんなことがあっても潰れない体制を築き、動き始めましょう。


税理士 大津留廣和

なぜ経営者自ら「現状認識」が必要なのか

情報ネットワーク2011年4月表紙より


アメリカのリーマンショックが起こってから3年目になりました。
経済環境が前と後では天と地ほどの変わりようです。
経営の中心が昭和の時代の「含み資産経営」から平成の時代に入り「キャッシュフロー経営」が言われ始めましたが、バブル崩壊後本格的に移行した企業は大企業には多かったのですが、一般的に我々中小企業を経営している企業には、キャッシュフロー経営に移行することができず、今にいたった感じがします。
このようなときこそ、一度経営を
①事業の問題と ②金融の問題に分けて
事業の問題についてはいま行っている事業の内容の再確認を、金融の問題については長期借入金の中で短期の返済すべきもの(長期借入金から固定資産を差し引いたもの)を一度再確認し、その金額と経常運転資金(売掛債権 + 棚卸資産 - 買入債務)を確認し、自社のキャッシュポジションの確認が今まで以上に大切です。

一倉定の社長学の中の「資金と損益」のなかの文面から引用させてもらうと
『 資金は、会社存続という面から見れば損益に優先するのだ。赤字をいくら出しても、資金が続く限り倒産することはない。反対に、いくら利益をあげていても、資金がショートすれば会社はつぶれてしまうのである。
社長たるもの、資金が苦手ですむわけにはいかない。資金の実態を知り、わが社の事業経営に必要は資金を計画し、調達し、運用しなければならないのである 。』

どうしても中小企業の場合は個人と会社が一体になっているので、両方のバランスシートを一度きちんと見直し、知らず知らずのうちに、含み資産経営になっている実態をきちんと見据え、キャッシュ化できるものはキャッシュ化し、資金繰りの検証をしてみましょう。


税理士 大津留廣和

「日本の時代」がはじまる

情報ネットワーク2011年3月表紙より


いま、我々は、足下を見つめるべきでしょう。
この日本という国に生まれ、育まれた資本主義の精神。
渋沢栄一の語る「右手に算盤、左手に論語」の思想。
近江商人の受け継がれた「三方、良し」。
住友の家訓、「浮利を追わず」の言葉。
いま、欧米諸国が「CSR」の思想を高らかに語っている、その遥か以前に、この日本という国には、その思想があった。
そして、この日本という国には、その「日本型資本主義」の精神を支える、素晴らしい思想があった。
「働く」とは「傍」を「楽」(らく)にすること、との「労働観」
「一隅を照らす、これ国の国宝なり」との最澄の言葉を体現した「人材観」
「利益とは、さらなる社会貢献をせよとの、世の声である」との「利益観」
「仕事の報酬は仕事だ」と考え、働きが甲斐ある仕事そのものを報酬と考える「報酬観」
巡り合った仕事を「天職」と考え、その仕事を通じて「道」を求める「職業観」
顧客を鏡として、腕を磨くこと、人間を磨くことを喜びとする「成長観」
そうした価値観は、決して、東洋の片隅の国の特殊な価値観ではない。
それは、いずれ、資本主義の進化とともに、世界全体が学ぶべき「新たな時代の資本主義の精神」になっていく。

(これから何が起こるのか 田坂広志著 PHPより)

アメリカのリーマンショク後の極端な景気悪化後、各国政府の対応により、景気は元に戻りつつありますが、私達中小企業の経営においてはきびしい状況が続いています。
しかしアメリカが昨年の11月3日にQE2(過剰流動性第2段)を決めた前後ぐらいから、少しづつ、風向きが変わってきている感じがします。経済産業省の鉱工業出荷内訳表等の統計数字をみると在庫循環にも、その傾向が現れはじめ底打ちの気配が起こりはじめた感じがします。
今年一年は意外といい年になるのではないかと密かに期待しています。
いつの時代も日本の素晴らしい思想に基づいた経営をしていて、なおかつ会社の業績数字をきちんと押さえている経営者にはチャンスが訪れる可能性が高いと言うことかもしれません。
自社の足下を見据えるとともに、自社の強み、弱みをきちんと把握し、どういう方向に舵をきるか、経営者の手腕が問われる一年になりそうです。


税理士 大津留廣和

平成23年度税制改正大綱(基本的な考え方)

情報ネットワーク2011年2月表紙より


平成23年度税制改正においては特に、デフレ脱却と雇用のための経済活性化、格差拡大とその固定化の是正、納税者・生活者の視点からの改革、地方税の充実と住民自治の確立に向けた地方税制度改革、の4つの柱として、税制抜本改革に向けた基本的方向性や政府の財政運営方針との整合性を確保しつつ、所得税、資産課税、消費課税全般にわたる改正を行うこととしています。
その結果下記のように変わる予定です。

法人税においては法人実効税率を5%引き下がります。

資産課税においては相続税等の基礎控除と税率等が変わります。
①相続税の基礎控除

 現行改正案
定額控除5,000万円3,000万円
法定相続人1,000万円に法定相続600万円に法定相続
比例控除人数を乗じた金額人数を乗じた金額

② 相続税の税率構造
最高税率は6億円超の金額については50%から55%へ変わります。
(各段階においても一部変更)

③相続時精算課税制度の対象とならない贈与財産に係る贈与財産の税率構造の変更
好むと好まざるにかかわらず、税制改正は私たちの生活に影響を与えます。
法人税の実効税率が下がり、相続税の基礎控除の変更・最高税率のUP、贈与税の税率構造の変更等は資産再分配の相続税増税と生前贈与を促す贈与税減税であり、資産の移転と資産の流動化を催促している感じがします。
今回の改正をきっかけに企業の経営者はよりキャッショポジションを高めていき、財務体質の強い企業に、財産のある方は将来の相続税負担を念頭にした生前贈与のプランの検討を始める時期に入った感じがします。


税理士 大津留廣和

デフレの正体

情報ネットワーク2011年1月表紙より


最近読んだ本で、読んだ内容で思わず「目から鱗が落ちた」本に出会ったので 今回事務所通信でご報告したいと思います。その本のタイトルは「デフレの正体 藻谷浩介 著 角川書店」です。

内容の一部をご紹介すると
『 子供や高齢者も加えた総人口の減少よりも、現役世代に絞った生産年齢人口(15歳~64歳人口)の減少の方がよほど急であるというこの最近の現実は、ほとんどの人が想定していなかった大問題なのです。出生が死亡よりも減ってしまっただの、都会に若者が取られたのだの、そういうレベルをはるかに上回るペースで現役世代人口の減少が起きている。そこのところを直視して原因を考えないと話が進みません。
それゆえ、日本には個人所得が消費に回らない構造があり、そのために首都圏ですら日本の内需を牽引できていないのです。
1990年代半ばを境に、「生産年齢人口の波」の減少局面に突入した日本。定年退職者の増加→就業者数の減少によって内需は構造的に縮小を始めました。
ほとんどの人がこの「生産年齢人口の波」の存在に気づいていない。仮に気づいてもその重要な影響に思い当っていないのです。
技術革新でモノが過剰生産基調となり、時代のイニシアチブは供給側から需要側、企業の側から顧客の側に移りました。企業が誰のものであろうが、顧客に価値を提供しその対価に利益を挙げることのできる企業だけが生き残ります。それがわからず、株主だの、従業員共同体だの、経営者だの、いずれにせよ供給側に立っている誰かの都合を、顧客側の満足に優先させようとするすべての企業は、市場経済の中で淘汰されていくだけです。 』 

今置かれている自分たちの立ち位置と環境を改めてきちんと理解し、再度ビジネスモデルの構築を考えていきましょう。


税理士 大津留廣和