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大津留税務会計事務所
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おおつるレポート(2019年)

お金の正体

 子供の頃に、お金について考えることは意地汚いことだと教えられました。これは日本社会においては広く共有されている価値観です。しかしその考えをいったん捨てて、お金について真剣に調べてみると、いろいろなことが見えてきます。実は、お金についてあれこれ考えないほうがいいというような考え方こそが実は現在社会の搾取を生む元凶なのです。

『格差と階級の未来』(鈴木貴博著 講談社+α新書)より引用

一般的にお金の機能には
①交換機能
②価値の尺度機能
③価値の保存機能があります。

 マネックス証券の社長の松本大氏は「お金の正体」という本で、お金は3つの基本的な要素で成り立っており、お金とはあなたの「信用」そのものであると言っています。
①信頼~お金を多く保有することは信頼(社会的な信用)につながります。
②価値~お金は何か仕事をした結果を価値に変えたものです。
③想い~お金は、使う人や預かる人の気持ちが含まれることが多々あります。

 そして、私が最も「お金」が大事だと思う視点は、お金は電気や水道、道路網、インターネット回線のような、人間が文明社会で生きていくために欠かせないインフラストラクチャーの1つであり、まさにお金の仕組みとは「社会財」ということです。人間が発明した本当にすばらしい仕組みです。それゆえ、人生100年時代を見据えた時、「自分版財産のバランスシート」を作り、将来の公的年金、私的年金の収入見込みや自分の自宅の価値を含めたところで、自分の純資産を常に意識することがお金と真正面から向き合うことだと思います。人間とは不思議なもので、お金について汚いものだと思ったり、興味を持たないでいると何も意識しなくなり、結果大事な視点に気づかないものです。
 「令和の時代」のスタートに当たり、「日本円」「米ドル」などのお金について真剣に意識し、いろいろなことを考えていくと現実社会や経営が今まで以上に見え始めるような気がしています。

税理士 大津留廣和

「平成の時代」から「令和の時代」へ

 平成の時代は平和な時代だったと思います。日本においては戦争もなく、まさに平和な時代の30年間でした。
 但しこの期間を経済的成長という観点から俯瞰してみると、平成元年(1989年)から平成29年(2017年)まで世界は成長し続けていました。
 1989年の世界の名目GDP(USドル)のランキングは単位10億ドルでカウントして、1位アメリカ5,641.60ドル、2位日本3,054.91ドル、3位ドイツ1,252.64ドル、8位中国461.07ドルでした。
 日本以外の世界の国々は成長し続け、2017年の世界の名目GDP(USドル)は、1位アメリカ19,485.40ドル、2位中国12,014.61ドル、3位日本4,873.20ドルでした。
 成長率はアメリカ3.45倍、中国は何と26.05倍、日本においては1.59倍でした。
 世界的に見ても中国の発展はすばらしく、逆に日本はまさに平成の時代を象徴し、タイラ(平)になった、成長しなかった時代でした。
 「令和」の意味は「人々が美しい心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ。梅のように日本人が明日への希望を咲かせる国でありますように」だそうです。
 次の「令和の時代」は日本の国や私達中小企業の経営者達が日本の文化や強みを意識し、一人当たりの生産性を高め始めることにより、どのようなすばらしい日本になるのか楽しみです。

『インターネット上の世界経済のネタ帳』より一部引用
税理士 大津留廣和

「みんなで頑張ろう」は崖にぶつかるのが早まるだけ〜先が見えない時代の人材戦略〜

 21世紀の人材戦略というものは、20世紀のそれとは正反対です。
 20世紀は高度成長期でしたから、大量採用、新卒一括採用で、単純成長の追いつけ追い越せの中で先輩からいろいろ教わりながら育っていき、みんなが昇進昇給して最後にご卒業、定年退職というキャリア観でした。
 しかし21世紀は人を抱えたら負けです。人を抱えると基本的に方向転換ができなくなります。今はほとんど全ての業界で方向転換しなければならない時代なのに、これができなくなっています。あるいは遅れてしまうのです。進む方向を大きく変え、方向が決まったあとはもう量だスピードだとなった時は人を増やしていく、あるいはアウトソーシングを活用するというのが21世紀型の経営です。

『大前研一ビジネスジャーナルNO、16』 より一部引用

 まさに20世紀(昭和の時代)は製造業のビジネスモデルで「自分の頭で考える人」は必要ありませんでした。21世紀は発想力を競うサービス産業のビジネスモデルでは、当然働き方も、求められる人材もまったく違うものです。「長時間働けばそれだけ前進できる」という戦後の成長体験を一度忘れて、たくさんの「人」と出会い、たくさんの「本」を読み、たくさん現場に出ていき経験を重ねて、前進して行く時期かもしれません。

税理士 大津留廣和

最初は誰もがマネーの素人

 なぜこつこつ働き貯金だけしていたらダメなのか、どうして日本という国を信じ、円だけを握りしめているのが危険なことなのか。今後世界で通用するだけのビジネス・スキルをもっていたとしても、投資や運用のリテラシーを欠いていたら、その人の将来もまた明るいとはいえない。なぜ日本人のマネー力が弱いのか、理由ははっきりしている。それは勉強しないからだ。こういうと日本人はすぐ、「仕事が忙しくて投資や運用の勉強をする暇などない」と言い訳をするが、そういう人は欧米のビジネスパーソンがこの20年間に、寸暇を惜しんでどれくらい必死に資産形成のための勉強をしてきたかを知らないから、そんなことがいえるのだ。
 日本人はバブル崩壊で損をした人たちが、投資に対し臆病になったところにデフレに見舞われ、いつの間にか低金利に慣れてしまった。もちろんそのベースには、貯蓄を美徳と教え込まれた戦後教育の影響があるのはいうまでもない。しかしながら、日本人が投資や運用を苦手としているのは、決して素質や才能がないからではなく、勉強をしてこなかったからだと思えば、まだ救いはある。たったいまから勉強を始めればいいのだ。

『マネー力』(大前研一著 PHPビジネス新書)より引用

 日本社会の問題として言えば、お金について語ったり教えたりすることがみっともないと考えられてきた結果、金融資本の働き方についてのきちんとした知識を身につけないできたことが原因だと思います。私たちは今後自分自身の自衛の為にそこを学んでいかなければなりません。例えばネット証券に口座を作り、SPY(SPDRS&P500ETF)というアメリカの銘柄をドルコスト平均法で毎月買い、世界の500社に投資するという実感と複利のマジックを経験することが運用のスタートだと思っています。

税理士 大津留廣和

SPY:世界の500社(インデックス)に連動するETF(株式市場で購入できる上場投資信託)。ETFの魅力は投資信託と株式市場の両方のメリットを合わせ持っています。

日本では毎年物凄い金額が相続されています

 日本において、1年間に相続される資産総額は約50兆円と言われています。今後もその規模は拡大するとみられ、2030年までにその相続資産額は累計で、控えめに見積もっても1,000兆円に達するとされています。もの凄い金額が次世代に移っています。

(野村資本市場研究所の推計より)

 昭和の時代は、地価が上昇し、家賃が上昇し、事業が拡大し、寿命が70歳でした。漫画の「サザエさん」の父親である磯野波平さんは54歳だったそうです。(この漫画は1950年ごろの話で、その当時の男性の平均寿命は60歳前後だった)
 平成の時代は、地価が下落し、家賃が下落し、事業が縮小し、寿命は90歳の時代です。
 なおかつ事業承継・財産承継等の家族の形も、
 昭和の時代=70歳代の相続⇒40歳代の子へ
 平成の時代=90歳代の相続⇒60歳代、70歳代の子へ

 まさに人生100年時代で、私達の寿命は確実に伸び続けています。もしそうであるならば、財産がある方は一番お金が必要な世代の40歳代に必要なお金をバックアップすることを考えてもいいのかもしれません。生活費を援助することは賛成しませんが、子供や孫に住宅ローンを負わせない。マイホームを買ってあげる。子供や孫の教育資金に思いっきりお金を使ってあげる。なおかつ自分の老後に責任を持つことが、豊かな老後に繋がります。老いていくことは「衰え」ではない「成長」です。「どうすれば有意義な人生を過ごせるだろう」と自分自身に問いたいものです。あわせて財産を守る為の人生から、やりたいことのために財産を活用していく人生を目指したいものです。そして若い人間にはない、ロボットにもない老人しか持ち合わせていない能力(老人力)を見つけ、それを仕事化していけば楽しい人生になっていく気がしています。

税理士 大津留廣和