
朝から晩まで業務に追われ、成果を出すことに迫られている私達にとっては、最新テクノロジーの情報に限らず、新しい学びを習慣化させることは非常にハードルが高いことだと思います。しかし、今現在私達の置かれていた約30 年間の経済環境が大きく変わり、日本の社会も今までのデフレ経済からインフレ経済に変わってきていることを認識して私達の頭もデフレマインドからインフレマインドに変えることができるかどうかにかかっているように感じています。
時代の変化を捉えて行動する人たちにとっては「千載一隅のチャンス」の時代になる可能性があります。
それならば、私達自身もアンテナを張って勉強して経営も投資も金融リテラシーについても知識を得ることと経験を積むことに時間を使いたいものです。
近年、株式や不動産や金価格が上がっているのもインフレの始まりだと私は思っています。
私達は早期にマインドシフト(頭もデフレマインドからインフレマインドへ変える、金利の付く時代を意識する)するためにも、次の4つのポイントを意識し習慣化することがとても大切なことだと思います。
①スキマ時間の活用
「スキマ時間の活用」は、社会人が新しいことを学ぼうと思ったら、真っ先に考えるべき基本中の基本です。
②専門家との対話
「専門家との対話」は、興味のある分野の専門家の勉強会や講演会に参加して質問したり、アポイントを取って直接対話などの形で教えを請いに行ったりする、ダイレクトな学びであり、メディアでは語られない本音を聞くことができます。
③メモと振り返りの習慣化
知識は「ピン留め」しなければ流れていくと言われています。
ノートにペンで書き留めるアナログスタイルでも、スマホで記録するデジタルスタイルでも、ツールは何でも構いません。大切なのは、流れていく知識を「ピン留め」して、自分の内に刻もうとする能動性です。
④直接体験
見て、触れて、使ってみる。五感に訴えかけるダイレクトな体験は、多くの学びをもたらしてくれます。最近では生成AI(画像生成AI、文書生成AI、動画生成AI、音楽生成AI など)などのさまざまな新サービスに触れ、自ら実際にコンテンツを作成してみるのも良いかもしれません。
日本にとっても私達個人にとってもこの非常にラッキーな時代、この大きなビッグウェーブに乗るために、時代を見据え、事業も投資も私生活も充実していきたいと思っています。
税理士 大津留廣和
『2035 年に生き残る企業、消える企業』山本康正著 PHP ビジネス新書より一部引用
ビッグウェーブ:大波を意味する英語表現
金融リテラシー:経済的に自立し、より良い生活を送るために必要なお金に関する知識や判断力のこと
60歳からの自由時間は8万時間をラクに超えます。どう使うかはあなた次第です。
まず自分の希少性に気づくことから始めたいものです。個人的な時間を増やすための「時間の断捨離」をするためにはまず他人との時間を①減らす②やめる③避ける④断る⑤逃げることにより、自分の時間を確保できます。日本においてはこの他人との時間に参加しないための免罪符は一般的には「自分の病気」か「身内の不幸」だけでした。
『60歳からの教科書』藤原和博著 朝日新書より一部引用
今後は自分の時間を自分のために使い、自分の可能性を広げていくことに使いたいと思います。人間性は「時間の使い方」や「お金を何に使うか」に出てきます。
いくらお金があっても時間は買えません。それゆえ、これからの時代は自分が自由に使える時間を持つことが大切である時代になってきています。
私達は自由を求めて、お金を稼ぎ、スキルを磨き、仕組みを整えてきていますが、最後の壁があります。それは「時間を他人や環境に明け渡している」という現実です。
どれだけ経済的に豊かになっても、真の自由は得られません。だからこそ「自分のための時間」を少しでも良いので増やしていくことが大切です。
私達にとって、時間は有限です。もしそうであるならば、心からワクワクするような仕事や自分の時間の使い方を自ら決定できることが望ましいです。そして自分がやりがいを感じるものに時間やお金を使いたいと思っています。そのような考え方が、自分の生きがいを得ることだけでなく希少性を高め、自由で豊かな人生が送れることに繋がっていくと思っています。
税理士 大津留廣和
「すべてをそのままに保ちたければ、すべてを変えなければならない」小説『山猫』の一節
「すべてを今のままでいい」との安定をとにかく欲する我々日本人にこそ、この言葉を共有したいと思う。今私たちは世界が大きく変わる歴史的な転換点にいる。変化が加速する時代に学びに時間もエネルギーも使うのは必須の投資である。学べば学ぶほど、脳内に幸せホルモンがあふれ、変化はチャンスに変えられる。
我々は今、世界が変わろうとする大転換点にいる。日本で言うと「幕末から明治維新」の時代以来の転換点にあたる。変化に抗わず受け入れて、チャンスにしたほうがよさそうだ。そのためにも、我々には継続的な「学び」が必要だ。永遠に学び続ける必要があるのは、世界が永遠に変化し続けるからだ。学んでいればピンチはチャンスにできる。
『君はなぜ学ばないのか』田村耕太郎著 ダイヤモンド社より一部引用
高市早苗氏の自民党総裁就任が決まった前後から、株式市場が高市政権の誕生を期待して、1週間足らずで日経平均は直前の安値から48,597.08円(上げ幅4,239.43円)へ、過去最高の急激な上昇となりました。高市政権は「財政刺激策や金融緩和継続等」の方向を示唆しており、投資家の期待が株式市場に反映されたものと思われます。
ミスター・マーケットとはおもしろいものですね。
私達はミスター・マーケットに振り回されることなく、「日本経済(特に投資している企業)の本当の価値はいくらが正しいのか」という価値観を自分自身でも意識していくべきです。「価値」と「価格」は違います。株価(価格)は日々変動しますが、企業の本質的価値はそれほど急激には変化しません。「価値」を理解できる人は不確実な世界でも揺るぎない判断ができます。テレビの情報等による一方的な視点や価値観で判断するのではなく、私達はしっかり学び続け、自分の核を作る努力をする時代なのです。いま(現在)の時代の変化を感じ取って私達ひとりひとりが「お金持ち」より「しあわせ持ち」を目指し、一歩を踏み出していくべきです。私達にとって「投資」とは、単にお金を増やすだけでなく、「限られた資源(時間・お金・労力)を価値あるものに配分する行為」だと言われています。言い換えれば、人間は自分の時間やお金を何に使うかが問われています。まさに「人生」そのものが投資なのです。あわせて投資とは人間の「生きざま」でもあります。投資行動を成功させるために、あなたは「何を」「何に」投資しますか?
税理士 大津留廣和
ミスター・マーケット
:ベンジャミン・グレアムが造ったと言われる投資の世界で用いた造語。投資家の心理や株式市場の非合理性を理解するための象徴的な概念。株式市場の価格変動に一喜一憂せず、冷静に企業価値を見極める姿勢を教えるための比喩。
価値 :当該主体が自ら創造するモノ(企業の場合、企業自ら創造するモノ)
価格 :その時々で他者が欲する分量によって決まるモノ
(企業の場合、「株価(=他者(株主)が欲する分量によって決まるモノ)」)
『真のバリュー投資のための企業価値分析』柳下裕紀著 きんざい より一部引用
財産(不動産)は三代で無くなるとよく言われています。
主な理由(視点)を考えてみると以下の7つの視点に集約されます。
①教育不足
お金のリテラシーが継承されていない
②相続税などの税負担
計画的な対策を講じていない
③投資・運用の失敗
長期的視点と分散投資視点の欠如
④分割による資産の分散
相続での資産の細分化と価値低下
⑤浪費と生活水準の上昇
節度ある資産管理意識の欠如
⑥組織の弱体化・継続者問題
事業承継の計画と準備不足
⑦明確な「目的」不在
資産形成・維持の理念や哲学の欠如
「不動産が三代で無くなる」と言われるのは、「三代目が浪費するから」ではありません。実は学ぶ時間が与えられないことが原因であるように私には思えてなりません。私は「資産を渡すこと」と「責任や経営力を育てること」はセットで考えないといけないと思っています。
初代が汗と努力で財産(不動産)を築き、二代目が安定運用と相続対策に追われ、三代目が教育不十分なまま財産(不動産)を引き継いだ結果として、資産だけを残し、理念や経営力を継がないと、必ず資産はなくなっていきます。そしてそれは事業会社における経営にも同じことが言えます。財産(不動産・自社株 他)の承継だけでなく、「価値観」と「能力」の承継が重要なのです。
その為、私達は効果的にお金を使いながら楽しく豊かに暮らしていく一方で、次世代(子・孫・曾孫)にお金(財産)を残すことだけではなく、「先の未来を考え行動する」という考え方を伝承していくことが大切だと思っています。
①「デフレ社会からインフレ社会へ」
②「節税から財産を増やす時代へ」
③「貯蓄から投資の時代へ」
上記3つの観点からの時代変化を見据えると共に、「残す」すなわち「節税」中心の発想から、「育てて渡す」すなわち「資産成長」重視の発想へ移行したいものです。その為には次世代へ、「資産管理会社からファミリーオフィスへ昇華させていくべきこと」「複利の偉大さを理解すること」「次世代教育の必要性」を伝え続けていく必要があります。「財産(不動産・自社株・金融商品)」だけでなく「智慧」を次世代へ継承することが一番大切な時代に突入しているのです。
税理士 大津留廣和
サメは恐ろしいから、サメが人間を襲うたびに世界中でニュースになる。ウシはまったく恐ろしくない。このウシとサメのパラドクスこそ投資の世界そのものだ。私たちは投資において恐れるべきものを恐れない。サメ(市場の暴落、機会を逃がすこと、次の景気後退など)を恐れる一方、それよりもはるかに大きなダメージを自分に与えかねない重大なリスク(必ず儲かると言われて株を買う、投資を始めるのを先送りする。株が暴落すると予想して売却する。高い経費率の商品を買うなど)には無頓着だ。「サメ」タイプのリスクはとてもわかりやすい。直面すると身体中の細胞が反応する。「ウシ」タイプのリスクはわかりにくい。たとえば株式市場の暴落(リーマンショックやコロナショック、最近では令和6年8月5日や令和7年4月7日の暴落、トランプ関税など)といったドラスチックなシナリオは誰もが恐れる。だが別のもっと退屈なシナリオのほうがはるかにダメージが大きい可能性がある。十分な投資を怠るというシナリオだ。3万ドルの運用資産の日々の値上がり・値下がりに一喜一憂している投資家は、6000ドルを追加投資すれば、残高は直ちに20%増えることに気づいていないかもしれない。
『年1時間で億になる投資の正解』ニコラ・ベルべ著 新潮新書より一部引用
私達は情報に対して、常日頃からどう対応すればいいのかを意識しないで生活しています。結果、急に「サメ」の情報が自分達に押し寄せると、途端に右往左往します。一方「ウシ」の情報は自分達が意識しないため、目の前を通り過ぎても気づかないで生活しているのではないでしょうか。世の中、リーマンショック後やコロナショック後にアメリカ政府を中心にこのショックの後始末として「量的金融緩和政策」をし続けた結果、デフレ社会からインフレ社会へと軸が移り始めました。
①「お金」を貯める行為、「お金」を投資する行為、「お金」を使う行為
② インフレ時代に対応した相続対策や事業承継対策(節税ではなく財産を増やす対策)
③ ご自身の健康管理、ご自身の複利的成長について
④ 本を読む習慣、散歩する習慣
⑤「人生の一回性」について
⑥ デジタル化の遅れ(キャッシュレス化の遅れ他)
⑦ 投資に対する考え方、投資行動について(投機ではなく投資する、複利の考え方)
⑧ 次世代に対する教育(特にお金の教育)等について
上記8項目について、日本経済に追い風が吹き始めている点を意識しつつ、一度「ウシ」の情報・視点から考え動く時期に来ているように感じています。
税理士 大津留廣和
会社経営において最も重要な資源である「人」が最大限力を発揮するインパクトは絶大です。
売上アップに直結しないように見えますが、結果としてそこにつながります。
従業員を幸せに導くことに会社が力を入れることは、結果として事業主にも還元される取り組みにもなるのです。
複利厚生を充実させることによって、次のようなメリットがあります。
①採用力の向上
②従業員満足度の向上
③生産性の向上
④企業の社会的信頼性の向上
そして従業員重視の姿勢は、今や世界的な潮流となりつつあります。
営業力強化、販売促進などと違って、企業の生産性向上につながるイメージをしづらいかもしれませんが、一人一人の潜在能力が最大限に発揮されれば、自ずとそれは企業の生産性向上にもつながってくるのです。
国のお墨付き!税制面から応援する「確定拠出年金」という制度を世の中が意識し始めました。私の会社も昨年の10 月より準備を始めました(就業規則等の改正等)。運用管理機関、資産管理機関、商品提供機関等の決定や投資教育については農林中金バリューインベストメンツ株式会社の御力をお借りしました。導入決定から許可を得るのに6か月かかりましたが、今年の4月から導入することができました。なお、当会社で導入した仕組みは日本で初めて確定拠出年金の「選択性」を導入したユニクロ方式です。具体的には「給与に上乗せ支給+選択制」を導入しました。
導入した背景は、税金を少しでも抑えて効率的に資産形成できる制度を準備するだけでも、従業員の退職後の生活を豊かにするサポートになるのでは、という考えにあります。併せて、若い従業員にとっても資産運用の実践と勉強ができる機会になると判断したからです。これからの時代、会社が何でもやってあげるより、自立する力を身につけられるようサポートしていくほうが従業員にとっても非常に価値が高いのです。
目先の株式市場や経済の動向を経営者が適切に把握することはもちろん大切です。しかし、それだけでなく、まさに「資産運用を含めた人生のセルフマネジメント力を身につける機会を従業員に提供すること」が、会社経営において本当に大切な時代に突入してきたと私は日々感じています。
『頭のいい会社はなぜ、企業型確定拠出年金をはじめているのか』 岩崎陽介著 青春出版社より一部引用
税理士 大津留廣和
アインシュタインは「複利は世界八番目の不思議だ」と言ったと伝えられている。
ただ複利には金融で使われる意味よりもはるかに大きな価値と注目すべきことがあるかもしれない。複利は、①お金 ②人の成長 ③企業の成長等 すべてに当てはまると私は思っています。たった一つの行動が習慣化すると(複利で動き始めると)人生は動き出します。人生とは本当に面白いものです。たった一つの行動から、ジェットコースターのように一気に景色が変わっていきます。
アメリカと中国対立の激化やトランプ大統領の関税政策等による国際情勢の風向きの変化等は、企業の構造改革の大きな流れになっていくと思います。良いように解釈すれば、もしかしたら、日本社会は外圧等により「千載一隅のチャンス」が訪れているのかもしれません。あわせて日本の少子高齢化社会の到来からいかに次世代のリーダーや子供達を育てるかが課題だと思っています。
ニトリHD の創業者兼経営者の似鳥昭雄氏は常々、『石の上にも3年、風雪5年、苦節10年、スペシャリスト20年』と言っています。配転教育やニトリ大学という独自の教育体系のもと、各々の専門領域においてロマン(志)とビジョンを見出して成長した20年以上の経験を有するスペシャリストが、今では全社で700名を超え、グループを支えているとのことです。私たち一人一人は似鳥社長のようなスケールの大きな人の育て方はできないと思いますが、『一隅を照らす、これすなわち国宝なり』(天台宗の開祖最澄の言葉)という言葉を噛みしめながら、自分達のできる範囲で次世代のリーダーや子供達を育てたいものです。そして彼らに、「複利の考え方(習慣の大切さ)」や「テーマが人をつくる」という考え方を意識してもらいたいと思っています。彼らがテーマを決めて、そのテーマでとことん自分と対話しながら取り組んでいけば、必ずやその分野ですばらしい人に育っていくことでしょう。
また、彼らには1人の時間に「本を読む」ということを習慣にしていただきたいです。読書はリーダーシップを育むための重要な手段です。読書は、単なる情報収集ではなく、著者の思想や感情と深く交流する「対話」です。そして読書は、自己との対話でもあります。自分の考えや感情を見つめ直し、新たな視点を得ることができます。少しでも良いので、私達は次世代のリーダーや子供達を育てるサポートをし続けたいものです。
『できるリーダーが「1人のとき」にやっていること』 大野栄一著 日経BP 社より一部引用
税理士 大津留廣和
読書休暇とは、日常業務から一時的に離れ、読書に没頭するための特別な時間のことです。
読書休暇は精神的なリフレッシュを図る上でも効果的です。業務に追われる中で自分自身を見失いがちな私たちも、この時間を通して自己と向き合い、心のバランスを取り戻すことができます。読書は知的な活動であると同時に、心を落ち着かせる効果もあるのです。仕事のパフォーマンス向上だけでなく、メンタルヘルスの維持にも寄与するのが読書休暇の魅力です。
意識を変えてから行動を変えるのではなく、行動を変えたら意識が変わるのです。この時間が自分自身の成長や質の向上に直結すると考えれば、その価値は計り知れないはずです。
『AI 分析でわかったトップ5%社員の読書術』越川慎司著 Discover より一部引用
今のような激しい変化の時代には、常に進化し続けることが求められます。そのためには、新しい知識やアイデアを取り入れる必要があり、読書はその有効な手段です。あわせて自分自身の価値観や考え方・経験した事の再確認と整理ができます。私自身も通勤時間の20分ぐらいと仕事の移動時間のスキマ時間と休日の時間で、月に5冊から10冊ぐらいは本を読んでいると思います。意外とこの少ない通勤時間と移動時間が一番読書時間としては充実しています。休日は落ち着いて本を読んだり、今まで読んだ本や受けた研修の内容から気になる箇所やこれだと感じた一節を自分自身が大事にしている自分だけの「ノート」に整理しています。そして整理したノートを月に一回以上は読み直しています。この行為をし始めてからもう、15年以上は経っています。
この習慣により思いもしなかった副次的な効果が起こりました。急に講演を頼まれた時や毎月の事務所通信の原稿を書く時に活用できています。本を読む習慣が経営をしていく上でのヒントや気づきにもなり、投資におけるヒントや気づきにもなっています。でも一番大きい気づきはこれから「どう生きるのか」という精神的リフレッシュを図れることだと思っています。
税理士 大津留廣和
最近の税制改正の中で特に
①贈与税の改正(相続時精算課税制度他)
②NISA制度の改正とiDeCo制度の充実
この2つの動きから、政府は国民に対してお金の動き、特に「貯蓄から投資」の動きを加速し始めたように感じています。
政府が税制改正を行い住宅ローン控除の仕組みを充実すると、結果として家を建てる人や買う人が増え、国民の住宅環境が整備されます。その結果、国民自らが日本経済を拡大(景気を上げる)させていくのです。
「贈与税は相続税の補完税である」と言われています。
日本人の平均年齢が上がっている現在、100歳まで生きると仮定すると、子供達が実際に相続する年齢は70歳代になる可能性が高いと思われます。もし70歳代で財産を相続したとしても、日本経済に与えるインパクトは少ないです。なぜなら、人間が一番お金を使う時期は『「子育ての教育資金」と「住宅資金」として使用する時期』だからです。
もしそうであるならば、相続時精算課税制度等を利用しできるだけ早い段階で財産を次の世代に渡し、充実したお金の使い方と日本の素晴らしい企業の為に長期的視点から真のバリュー投資を行ったほうが日本経済に与えるインパクトが大きいのではないでしょうか。その結果、国民の財産形成に役立つと共に、日本の素晴らしい企業の成長発展のお手伝いをすることができるのです。
しかし、現実社会はこの動きに水を差すかのように、昨年の8月5日にはブラックマンデーの下げ幅を超える日経平均株価4,451円安の大暴落が起こり、今回のトランプ大統領の関税問題から世界の株式市場は一気に下がり続け、日本においても4月7日には一日で一時的に2,987.84円の下げが起こりました。もの凄い暴落だと思います。
今までの相続対策は評価額を下げることに力点が置かれていました。この行為はデフレ時代の日本においては正しかったのかもしれません。しかし、これからの時代は税制改正から見えてくる「貯蓄から投資」のお金の流れを理解し、「相続時精算課税制度等」を利用することや、次世代が財産を増やす時代に移りました。節税ではなくインフレ社会に対応する為に、相続財産を敢えて増やす行為、そして次世代の財産を増やす行為が必要だと思います。結果相続財産が増え、相続税が増えることになるものの、相続税を余裕をもって支払うことができるように財産形成する時代に突入したのかもしれません。
今回の暴落は『「貯蓄から投資」の流れは正しいが、各人が努力し勉強と経験を積まないと大変なことになりますよ』という警笛かもしれません。今回の暴落のような異常事態がおこった際、経営者や投資家の人達は平時と同じように冷静に対応する心構えができるように、常日頃から何を意識し、どう考え、どう行動するべきかを考えさせられる貴重な機会だったと思っています
税理士 大津留廣和
相続時精算課税:
相続時精算課税の制度とは、原則として60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上の子または孫などに対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。
贈与の総額2,500万円(ただし、年間110万円の基礎控除あり)までは贈与税0円、2,500万円以上は、超えた部分に20%の贈与税が発生します。但し相続の際には贈与された金額の総額を加算します。
「今、人生で最も大切にしている価値観は何か」という質問を投げかけられたら私はそれに対してどう答えるだろうか、と最近考えるようになりました。人間は最も大切な価値観を心に決めると今後の方針が明確になると言われています。
古希を迎える私の場合は「自由」と「時間」にあると心に決め、「自分のやりたいこと」と「自分のために働くこと」と「好きな仕事をすること」を意識することだと思い始めました。お客様に対しては「正しいお金の思考・使い方・投資・事業承継・相続対策等」を一緒に考えるお手伝いができれば良いと思っています。
今年94歳になったバークシャー・ハサウェイの最高経営責任者(CEO)である世界的な投資家ウォーレン・バフェット氏にとって人生で大切なものは何といっても、パートナーや気のおける友人と過ごす時間であり、自分の好きなことをする時間であるそうです。そしてバフェット氏が日常で好きなことは、食べる、本を読む、眠るの3つであり、その為、食べる時間はたっぷり取り、寝る前に1時間は本を読み、寝る時間もたっぷり取っているとのことです。
併せてバフェット氏はできるだけ長くバークシャー・ハサウェイの会社で意思決定を続けたいという意向を表明しており、「65歳で引退しようとする者はバークシャーのCEOとしては失格だ」「わたしの年齢(94歳)になったら、自分の愛した人たちがわたしをどれほど愛しているかによって、人生が成功したのか見当がつく」とも語ったそうです。
「人生で最も大切にしている価値観」及び「次の世代のために自分ができることに取り組むこと」を意識し続けることを習慣にしていきたいと思っています。
中小企業の経営者であれば、事業の「存続(事業承継)と発展」を考える以上に、どうやって会社を成長させていくかという「成長戦略」を一生考え続けていくものと思っています。
税理士 大津留廣和
誰かに自転車の乗り方を教えようと思ったとして、本を渡して読めと言うだろうか。自転車運転の物理学、バランスの取り方、曲がり方と乗り方と止まり方といったことを延々説明する授業に連れて行くだろうか。それとも、いくつかアドバイスを与えたら、自転車に跨らせ、背中を押してやり、自分でコツをつかむまで転ぶままにしておくだろうか。
自転車の乗り方を本や授業で学ぼうとするのがいかにバカな話かということは誰にでもわかるだろう。世界中から説明を集めてきたうえでもなお、結局は私や私の子供がやったのとまったく同じ方法でマスターする以外ない。何度も何度もミスをして痛い思いをする以外にない。私たちは過ちから学ぶような仕組みになっている。しかし、何を学ぶかは私たちが間違いにどう反応するかで変わってきます。
『バフェットとソロス勝利の投資学』マーク・ティアー著ダイヤモンド社より一部引用
政府が「投資立国」ではなく「資産運用立国」を政策目標としました。その為に、政府は私達に「新NISA制度」と「iDeCo(イデコ)制度の充実」をプレゼントしてくれました。背景には、個人の金融資産の形成において、「株式や債券を売買して儲けようとするのは邪道である。そうではなくじっくり保有することで資産を増やしていくことが王道」という発想があるからだと思います。そしてこれからの自身の人生において、勤労収入、年金収入に加えて、資産運用から得る収入の3つの安定収入源を確保することを目標にしてほしいということだと思います。
4本の足がしっかりしていると椅子が安定するのと同様に3つの収入源があると私達の生活が安定していきますので、できるだけ早い時期にこの仕組みを習慣化することは大切なことです。
資産運用は日本の繁栄の為に有効な手段です。資産の有効活用により国民一人ひとりが豊かになっていけば、それはすなわち国の繁栄を意味します。資産運用により所得が安定すれば個人消費が盛り上がり、経済は拡大します。このプレゼントをご自身のものにするためにはまず、「自転車にはじめて乗れるようになったときのように」経験そのものを早く始めることです。ご自身の体と頭の中に落としこんでいく為に、少額でもいいのでまず株式投資や資産運用への第一歩を踏み出しましょう。色々なミスや失敗を通じて経験を繰り返すことが大切です。良い習慣を身につけるには時間がかかります。ご自身に良い影響を与える本をたくさん読む習慣や、良い影響を与えてもらえる講演会にも出席しましょう。
そして良い影響を与えてくれる友を持ちましょう。その経験は次世代の人達にとっては、ビジネスや今後の生き方における最良の教科書になるとともに「事業承継」や「相続対策」における教育にもなると思っています。あわせてご自身のバランスシート(資産総額)を毎月把握する習慣を身につけるとともに、「学びと読書」が人間を成長させるためには絶対に欠かせないことを意識しましょう。ご自身と次世代の人達と一緒になって投資を行うことを通じて経営センスを磨いていく、そんな生き方を実践していきたいものです。
税理士 大津留廣和
政府が「人生100年時代構想」を掲げているように、日本は人生100年が決して夢ではない時代に入りました。
現在の75歳の体力は昔の65歳に優に匹敵します。
動物の自立は自分で食い扶持を得ることなので、だいたい20歳ぐらいまでを子供とすると、大人としての人生は80年あります。そう考えると20歳からスタートして半分の40年が経過した60歳は、ちょうど人生のど真ん中。人生100年時代の60歳は折り返し地点と位置付けられます。「60歳になったらそろそろ人生も終わりに近い」と思っている人は、定年制という考え方に毒されているのです。もちろん「還暦後は余生だ」といった捉え方も間違っています。マラソンでいえばまだ半分しか走っていない。それで何を悟り切ったことをいっているのか、という話です。守りに入っている場合ではありません。
『還暦からの底力』出口治明著 講談社現代新書より一部引用
人生で最も大切な価値観は何かをゆっくり考えるのが「人生の後半」の始まりだと思います。
還暦を過ぎた時期は、子供の教育や住宅ローンの返済も終わり、自分の時間を自分の為に使い始めることができるスタートでもあります。私が思う「人生で最も大切な価値観」は自分自身が「経済的自立」をし、「自由」に自分の意志で自分の時間を使えることだと思っています。
令和7年を迎えるに当たり、今年を自分自身のこれからの人生の生き方をきちんと考え直す年にしたいと思っています。人生で一番大切な事は、パートナーや友人達と食事をしたり、旅行したり、遊んだりすることや自分自身のコンテンツを磨き成長し続けることです。その為には年齢に関係なく積極的に外に行ったり自分のコンテンツを豊かにしたりして、新たな人との出会いをつくったほうが良いと思っています。家に引きこもっている場合ではありません。
休暇をきちんと取るとともに、一度しかない人生を意識し毎日ベストを尽くす。何歳になろうとも「常に学び成長する」姿勢と実践、併せて次の世代のために自分ができることに取組むことを意識し、「次世代が憧れる生き方」をし続けたいと思っています。
税理士 大津留廣和
経済的自立:「経済的自立」を得るとは十分な「収入」ではなく、十分な「資産」を得ることだ。「人間関係」に「時間」を投資し、人生を楽しもう!