
世界的なメガテック企業であるGoogleには、かつて、従業員に勤務時間の20%を本業以外のイノベーションに充てさせる「20%ルール」がありました。これを聞いて、「リソースに余裕がある大企業だからできる綺麗事だ」と思われる経営者の方も多いかもしれません。
しかし、私は数多くの財務の現場を見てきて、むしろ「リソースの限られた中小企業や資産家だからこそ、この20%の未来投資の有無が死活問題になる」と痛感しています。
なぜなら、複数の事業の柱を持つ大企業とは違い、中小企業は「現在の主力事業」が、資産家は「対策なき既存の資産構造」が、時代の変化で一度崩れてしまえば、一瞬で存続が行き詰まるリスクをはらんでいるからです。日々のルーティン業務や目先の売上を追うことだけに100%の時間を費やしている企業(または当事者)は、変化の荒波が押し寄せたときに、次に打つ手がありません。
あえて日々の業務の「20%の時間」を削り、経営者であれば新事業の種まきや組織づくり、資産家であれば投資の探求や確実な財産承継の準備に充てる。
これは単なる理想論ではなく、10年後も会社と財産を守り抜くための最も堅実な「リスクヘッジ(危機管理)戦略」です。
財務の世界における「複利効果」の凄まじさは、皆様も重々ご承知のはずです。わずか年利数%の差が、10年後には数倍の資産格差を生むように、毎日の「20%の時間投資」の有無は歳月を重ねるごとに「企業や資産の生存力」の圧倒的な差となって現れます。その時までに蓄積された知識や仕組みは、お金では決して買えない最大の強みとなります。
とはいえ、「多忙を極めるスケジュールの中から、どうやって20%の時間を作り出すのか」が最大の難所でしょう。
未来のために時間を確保するには、今抱えている実務を組織や後継者へ委譲し、ご自身が「現場のプレイヤー」から脱却する仕組み作りが欠かせません。次の10年も持続的な成長と豊かな未来を築くために、まずは経営数値の整理とともに、ご自身の「時間の棚卸し」から始めてみませんか。当法人は、単なる税務会計の枠を超え、業務の効率化や組織体制の見直し(仕組み化)を通じて、皆様が未来へ舵を切るための時間を創り出す伴走型パートナーとして全力でサポートいたします。
税理士 大津留廣和
日本経済は長年続いたデフレの眠りから覚め、本格的なインフレの時代へと突入しました。最近の株式市場がその何よりの証拠です。この1年余りで日経平均株価は安値30,792.74円(令和7年4月7日)から、最高値69,682.23円(令和8年6月15日)へと、約2.26倍という驚異的な急上昇を記録しました。この数字は単なるマネーゲームの狂騒ではありません。「現金の価値が目減りし始めている」という、私たち経営者に対する強力な警告(シグナル)に他なりません。
デフレ時代における正解は「現金を多く持つこと」でした。しかし、インフレ社会においては、知識を持たない者にとって「現金維持」こそが、最大の不確実性(リスク*)となります。モノやサービスの価値が上がるということは、裏を返せば、企業が内部留保している手元資金や、個人が蓄えてきた現預金の価値が目減りしていくことを意味するからです。
これからのインフレ時代を生き抜くために、経営者や資産家が今すぐ行うべきことは、世間の曖昧な情報に惑わされることではなく、自らの足元を「直視」することです。
具体的には、次の3つの「棚卸し」が必要になります。
1. 資産・負債の内訳(不動産、現預金だけでなく、有価証券や借入金等の財産債務)
2. 家族構成(次世代へのスムーズな資産移転を見据えた相関図の整理)
3. 承継タイムリミット(経営者ご自身、そして後継者の「現在の年齢」から逆算して確認)
インフレは、正しい知識と対策を持つ経営者にとっては、企業の価値を大きく高める「最高のチャンス」であり、強い追い風になります。
「正確な事実」を把握し、「目的」を明確にし、「ブレない設計の軸」を定め、この時代の転換期を、共に勝ち抜いていきましょう。
税理士 大津留廣和
*リスク:将来の結果が不確実であり、その不確実性によって期待した結果からずれる可能性のこと。要するにリスクとは単なる「危険(悪いことそのもの)」ではなく、良い結果も悪い結果も含めた「将来の不確実性」のことを指します。
【あなたは「環境」の産物に過ぎない】
アメリカの成功哲学者ジム・ローンは「あなたの人生は最も多くの時間を一緒に過ごす5人の平均で決まる」と喝破しました。収入、幸福感、健康状態、学習意欲。これらあらゆる指標は、身近な人間の平均値へ収束していきます。つまり、誰と一緒にいるかを選ぶことは、自分の未来を、そして「自らの市場価値」を選択する行為に他なりません。
【資産の本質は「釣った魚」にあらず】
日本は築き上げた資産をそのまま子孫に残す文化が根強いですが、アメリカの成功者は「資産の築き方(釣竿)」を教えることに心血を注ぎます。今、日本社会はデフレからインフレへ猛烈なスピードで舵を切りました。昨日までの「正解」が、今日には「リスク」に変わってしまうこともある時代です。この激変期において、次世代に残すべきは、単なる現預金ではなく、環境やトレンドに左右されずに生き抜くために必要な、「継続力」と「判断力」という名の釣竿です。
【AI時代、あなたは「コンパス」になれるか】
デジタル化とAIの台頭により、価値観は多様化の一途を辿っています。私たち人間が意識すべきは、AIに振り回されることではなく、自らの資源(時間、エネルギー、家族、友達、情報、学び、お金)をどこに投下すべきかを見極める「コンパス」としての役割を果たすことです。自分自身が成長し続け、その背中を見せることで次世代を巻き込み、共に投資し続ける。これこそが、「一流の継続力」の本質です。
「人が成長していくうえで、どの時期にどんな人と出会い、そこから何を学ぶかはとても大きな意味を持っています。」チャーリー・マンガーが遺したこの言葉の通り、皆様にとって当法人が、常に最良の学びと刺激を得られる「環境」であり続けることをお約束いたします。
税理士 大津留廣和
『一流の継続力』 井上裕之著 Discover より一部引用
投資の世界で「人類最大の発明」とも称される「複利」の効果について、ある興味深いシミュレーションを基にお話ししたいと思います。
投資の神様、ウォーレン・バフェットの哲学を綴った『バフェットのポートフォリオ』(ロバート・G・ハグストローム著 ダイヤモンド社)の中で、非常に示唆に富む例え話があります。「毎年価値が倍増する投資に1ドル投入する」という極端な仮定の下では、以下の驚くべき差が生じるというものです。
A:毎年利益を確定し、納税後に再投資する⇒20年後の利益は25,200ドル
B:20年間一度も売らず最後に一括納税する⇒20年後の利益は692,000ドル
両者の差は約27倍です。多くの経営者は、本能的に「毎年の税金を抑えたい」と考え、こまめに利益を確定しては納税を繰り返します。しかし、これは「投資収益が爆発的に伸びるチャンス」を自ら逃している可能性があるのです。税率は同じでも、納税を「先送り」にするだけで、本来税金として消えた資金が「新たな利益を生む資本」として働き続けます。これが「課税の繰り延べ」の真の威力です。
資本主義社会を生き抜く上で、この「複利の考え方」と「税金を支払うタイミング」を理解することは、極めて重要です。特に、次代を担う経営者や資産家の皆様、そして若い後継者の方々には、ぜひとも腑に落としていただきたい概念になります。
私自身、孫が誕生した際、子供に「孫のために毎月1万円の投資信託の積立を始めてはどうか」とアドバイスを送りました。投資の3大原則「長期・積立・分散」を実践し、複利の効果を味方につけることで、20年後に成長した孫たちがその結果を目にした時、孫たちの「金融リテラシー」に火が灯ることを願ってのことです。
私はお金とは単なる「消費の道具」ではなく、未来の価値を創造し、人と人を繋ぐ「コミュニケーションツール」であると考えています。皆様一人ひとりの月々1万円の投資という一歩が、やがて「バタフライ効果」のように日本全体の未来を成長させる大きなうねりとなれば幸いです。私達と共に、素晴らしい未来への第一歩を踏み出してみませんか。
税理士 大津留廣和
『一生に一台の車しか乗れないとしたら』
「一生に一台の車しか乗れないとしよう。当然あなたはその車を大切に扱うだろう。ここで考えてほしいのは、あなたが一生に一つの心と身体しか持てないということだ」
~世界で最も有名な投資家であるウォーレン・バフェットが若い人たちに話した内容~
「『もし今日が人生最後の日だとしても、今日やろうとしていた事をやるだろうか?』
毎日、鏡の中の自分にそう問いかける。この質問に『NO』が続いたら、それは何かを変えたほうが良いというサインだ」
~Appleの創業者スティーブ・ジョブズの言葉であり、実際に行っていたという習慣~
「苦手なことは休むこと」という日本人は多いと思います。私もその一人だと思っています。ただこのことを意識し始めた結果として、普段だと買わないであろう「休む勇気」というタイトルの本を偶然本屋で見つけたので読んでみました。
半導体技術の発展により、「エクスポテンシャル(指数関数的)な変化」が起こり、テクノロジーの世界では物凄い勢いで飛躍的な発展が起こっているように感じています。しかし人生100年時代(寿命が延びる時代)において、より重要なことは「常に新しい物事への好奇心を失わない習慣」や「世代を超えた新しい友人を作る能力」だと思っています。
人生の優先順位を意識すると同時に、日本の社会において30年間以上続いたデフレ社会が終わり、インフレ社会に突入したことを意識していきたいと思っています。そのことは今後の人生において自分の資産を守ることに繋がります。そして自分の時間を今まで以上に意識し、大事な時間を使える仕組みを作りたいものです。世の中が大きく動くということは、環境が変わることでもあり、チャンスが起こることでもあります。「休む勇気」とは、「自分の時間や知識を自分なりに深めていく行為」かもしれません。
税理士 大津留廣和
『休む勇気』谷口たかひさ著 祥伝社より一部引用
「エクスポテンシャル(指数関数的)な変化」
:テクノロジーの指数関数的な変化がますます加速する時代
(ムーアの法則によれば、計算処理の基盤として必要なコストは2~3年ごとに半減する)
「今後10年間の超人的AIの影響は、産業革命を超えるほど甚大になる」という予測シナリオを示しています。(OpenAIの研究者だったダニエル・ココタジロやAI研究者のイーライ・リフランドらが 2025年4月に発表したレポート)
このレポートによると、2027年3月には「人間のAI研究者の30倍の数と30倍の早さで作業できる超人的プログラマー(ソフトウェア開発者)」が登場するとされています。
2027年12月には人工超知能が実現され、プログラミングだけでなく、データ分析、企画立案、研究開発、文書作成、翻訳、マーケティング戦略立案など、あらゆる頭脳労働で人間を圧倒するようになります。
AI自身のソフトウェア改善の速度は、実に現在から2,000倍に到着するというシナリオを提示しています。あらゆる分野の先端の科学研究や研究開発が加速し、科学技術が今以上に発展する可能性を示唆しています。
知的労働の価値が根本から変わる変化は、産業革命が肉体労働を機械に置き換えたのと同時に、知的労働を機械に置き換える流れと言えるでしょう。しかし、両者の間には重要な違いがあります。それは、変化のスピードが桁違いに速いということです。
『知的生産でAIを使いこなす全技法』冨田到著 かんき出版より一部引用
このAIの進化を見据え、人生100年時代、私達は今後どう生きていくことが大切かを真剣に考えたいものです。世の中にはあなたにとって大切なものはいくつもあると思いますが、最も大切にしなければならないのは間違いなく「自分自身に投資すること」ではないでしょうか。どれだけの時間を自分のために使うことができるか、どれだけの努力を自分に傾けることができるかが問われています。
まさに「あなたの最高の財産は自分であること」、そして「あなたにとって一番大切な顧客は自分であること」を意識したいものです。
人生の長さは自分では決められませんが、人生の密度は自分で決められます。また、人間性は「お金の使い方」より「時間の使い方」に出ると言われています。
「いくらお金があっても時間は買えないよ」という言葉の重みは、自分の年齢が高齢になるほど強くなっていきます。私達は次の世代に自分の経験、実践を通じて身に付けたスキーム、センス、テクニック、ノウハウ以上に、いかなる「志」を伝えることができるかを意識していく必要があります。そして同時に自分自身に関しても、何歳になろうとも、本を読むこと、セミナーに参加すること、人に会うこと、経営・投資を行うこと等を継続し、成長し続けたいものです。
税理士 大津留廣和
投資に係る思考方法は株式に限定されるものではなく、人生全般に共通した概念である。特に、われわれの人生は常に「価値と価格の交換」による「投資」決定の連続であり、これらを意識することにより、人生における選択の自由の幅は大きく広がり、生み出される価値の量と質が格段に変わるはずです。
岐路に立った時には必ず「人生における価値と価格の交換」-トレードオフで得る価値と支払う価格の比較-を迫られ、考え抜いて進む道を選択せねばなりません。
『真のバリュー投資のための企業価値分析』柳下裕紀著 一般社団法人金融財政事情研究会より一部引用
投資とは単にお金を増やすだけでなく、「限られた資源(時間・お金・労力)を価値あるものに配分する」行為です。別の言い方をすると、投資は単なるお金儲けの手段ではなく、その人の人生観や価値観を映し出す行為です。誰かの正解をなぞったり、誰かに正解を選んでもらうのではなく、自分にとっての最適解を自ら選ぶ時代になったのかもしれません。私は税理士として39 年間以上の間、様々な案件に携わらせていただいた経験を踏まえ、日本人にとって投資はどうあるべきかを追求していきたいと思っています。あわせて、
①「みんな違って、みんないい」「自分は自分」(童謡詩人の金子みすゞ氏)
②「自分のことを、この世の誰とも比べてはいけない。それは自分を侮辱する行為だ」(マイクロ・ソフトの創業者ビル・ゲイツ氏)
の言葉を噛みしめながら、これからの「人生の時間の使い方」と「金融リテラシーを少しでも上げること」を意識していきたいと思っています。
税理士 大津留廣和